「沖縄」エリア特集

沖縄に、事務所を構えている建築家に特化した特集です。
該当エリアでお住まいを建てられるご予定がある方々は、ぜひご活用ください。

フレキシブルな空間がゆとりをもたらす 木製ルーバーが印象的な二世帯住宅

沖縄県那覇市 / 具志の二世帯住宅

ご両親と一緒に暮らそうと、ご実家を二世帯住宅に変更することを検討していた施主のOさま。以前の実家は2階建てで、1階はそのままに、ご一家が入居する予定の2階のみを改修する案もあったが、子世帯であるOさま一家は5人家族。それではどうしてもスペースが足りなかった。
二世帯住宅と考えると敷地面積は決して十分とはいえない。住宅街の一角、また第一種低層住居専用地域の中にあり制限も多いことに加え、西日が当たる時間が長いという課題もあった。容易ではない敷地条件をクリアすべく、仲本さんが採用したのは木製の縦ルーバーだ。外壁をルーバーで覆い、ダブルスキンにすることで沖縄の強い日射を遮蔽した。もちろん近隣の住宅や通行人からの視線も遮ることができる。

高台の恵まれた立地をさらに生かした 抜群の眺望を楽しみ、快適に暮らせる住まい

沖縄県 / 高台の家

沖縄県。見晴らしのよい高台に、真っ白な外壁が青空に映える家がある。お施主であるSさまは、自宅であるこの「高台の家」を建てる際、この立地や環境を最大限に生かしたいとお考えだったという。

依頼を受けたのは、アトリエセグエの比嘉俊一さんだ。詳しいヒアリングを通して、眺望を生かすことはもちろん、毎朝リビングで朝日を浴びることができる生活をイメージ。計画したのは、下に続く街並みに向かって大きく開口した2階建ての家だ。

1階に設けたLDKは、リビングエリアを2階までの吹き抜けとしている。そして、吹き抜けを構成する多様な開口部の計画が、明るいLDKのキーになっているのだという。「吹き抜け部分の上部、東側と南側にそれぞれ『空に繋がる窓』を設けました」と比嘉さん。お施主さまがイメージされていたような、さわやかな朝日がたっぷり入ってくるのはもちろん東側の窓だ。沖縄の強い日射を考えると、大きく開口して大丈夫なのかと気になるところだが、朝の時間を過ぎれば直射では日が入らず、むしろ青い空がそのままの色で眺められるという。

昔ながらの沖縄の暮らしを現代に取り入れた 3枚の屋根と魅力的なテラスがある家

沖縄県中頭郡 / Three roofs house

沖縄県にお住まいのAさま。すでに独立されている3人のお子さまたちはそれぞれに海外留学を経験し、ホストファミリーに親切にしてもらった思い出を今でも大事にされているという。そこで自分たちの住まいと、留学生を受け入れるための無償で長期滞在できるゲストハウスが一緒になった建物を新築したいと希望されていた。

購入したのは、新たに区画整理された地域の土地の隣り合う2区画だ。西面以外の三方が接道し、東西に横長い。依頼を受けた株式会社ADeRの仲本昌司さんは、まず東側に母屋を、西側をゲストハウスにすることを提案。かつ、土地は南側に開けており景色も良いことから、沖縄の古民家的な構成の家にしようと考えた。

沖縄の古民家の特徴は、まず台風が多いためRC造がほとんどだということ。また、伝統的に南にリビングなどの人が集まる場所を、キッチンや寝室、和室などプライベートな居室は北側に配置するという。

沖縄の気候風土、文化を熟知した匠がつくる 混構造と赤瓦屋根の二世帯住宅

沖縄県与那原町 / 与那原の家

日本の南端の県、沖縄。かつて琉球と呼ばれたこの地は、気候風土や文化において、日本本土のそれと大きく違っていることはいうまでもない。気候区分も本土が温帯であるのに対し、沖縄は亜熱帯で湿度が高い。夏には毎年のように台風が通過していくから頑丈さも求められる。また、飲み会の多い文化の沖縄では、家に親戚や友人が集まる機会も多いため、空間づくりも重要だ。

東設計工房の特徴は大きく2つ。1つはコンクリートと木造の混構造。沖縄では、シロアリや台風の被害に備えるため、コンクリート造の家が多い。東設計工房では、外壁には頑丈なコンクリートを用いるものの、天井や梁には自然素材である木を用い、柔らかで温かみのある内部空間を実現している。

また、屋根には沖縄の古民家でよく見られる、赤瓦を用いることも多い。赤瓦は「沖縄らしさ」の演出だけが目的ではない。吸水性に優れた赤瓦は、スコールの際に水を吸収してくれるし、晴れれば含んだ水を蒸発させ、室内を涼しくしてくれる。また、断熱性にもすぐれるため、夏の熱を吸収しないばかりか、冬の温かさを室内に留める効果も。また、部分的補修ができるというメリットもある。
そんな沖縄特有の事情に精通し、古くからある沖縄の住宅の良さと、現代建築の良さを上手くハイブリッドした混構造の家をつくり続けているのが、東設計工房だ。

沖縄の過酷な日射や雨に負けない。 機能性と意匠性を両立した、片流れ屋根

沖縄県うるま市 / 片流れ屋根の家

沖縄本島中部の太平洋側に位置し、気候的にも暮らしやすいといわれるうるま市。Yさま一家が暮らす「片流れ屋根の家」はうるま市の中でも緑豊かな場所にある。辺りに建物が少ないことも、素晴らしい環境と感じられる理由のひとつだ。聞けば、この土地は元々さとうきび畑だったところを農地転用したのだという。

「うるま市には製糖工場があり、この地域もさとうきび畑が広がっています。このような土地は手続きに時間がかかるのはもちろん、産業として利用されているため、今後も周辺に家が増えることはそんなにないと想定しました」と話すのは、この家の設計を担当したアトリエセグエの比嘉俊一さん。将来も遮るものなく緑が目に飛び込んでくる環境が続くだろうこの場所で家を建てるなら、暮らしの中に沖縄の農作業の風景や自然の姿を取り込みたいと考えた。もちろん、沖縄の日差しや暴風雨など過酷な環境を耐えうる品質は確保したうえで、だ。

フレキシブルな空間がゆとりをもたらす 木製ルーバーが印象的な二世帯住宅

沖縄県那覇市 / 具志の二世帯住宅

ご両親と一緒に暮らそうと、ご実家を二世帯住宅に変更することを検討していた施主のOさま。以前の実家は2階建てで、1階はそのままに、ご一家が入居する予定の2階のみを改修する案もあったが、子世帯であるOさま一家は5人家族。それではどうしてもスペースが足りなかった。

「家の耐久性の問題もありました」と話すのは、この「具志の二世帯住宅」を設計した株式会社ADeRの仲本昌司さんだ。以前の実家は築42年。ただ、沖縄の家の多くがそうであるようにRC造で建てられており、メンテナンスを施せばこののち20年程度は暮らせるだろうと思われた。しかし、Oさま夫妻はまだ40代。30年、40年後までと考えると確実に大丈夫だとは言えなかった、と仲本さんは語る。総合的に判断し、改修ではなく建て替えを選択したのだそうだ。

沖縄の古民家を現代の視点で再構築 自然素材を活かした「光涼風樹の家」

沖縄でいつかは自邸を建てたいと思い、景色と周辺環境に恵まれた土地を探し続けていたというHARMO designの岸田さん。長い年月を経てようやく出会えたのが、豊見城の古くからある集落の一角にある土地だった。那覇空港から車で15分と便利な場所にありながら、南には河川があり、緩やかに上る段丘の背面に豊かな里山が広がっている。そして、何よりも岸田さんの心を惹きつけたのが、里山の中にある美しい饒波の杜だった。

「そこにはウタキ(祈祷所)があったのです。赤瓦の拝所の前には皆が集まる広場があり、覆うように自生する木々の間から集落が見渡せます。亜熱帯の森と思えないほど光は涼やかで風は澄み切って心地良く、いつまでもここに居たいと思える素晴らしい場所でした」。
そう土地の印象を振り返る岸田さん。このウタキに足を踏み入れた瞬間に、「地域の源流として大切にされているこの空間を自邸に活かす事で、地域の時間や集落の中に溶け込む家が創れるのではないか」。と考えたのだという。