四季が感じられる「庭」がある住まい特集

家に居ながらにして四季の変化や、窓からの景色を楽しめる住まいを建てたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。ここでは、その土地の気候風土を最大限に活かした、自然の移り変わりを感じられる、「庭」がある住まいづくりをご紹介します。ぜひみなさまの家づくりの参考にしてください。

木の温もりと庭の景色で 患者さんがリラックスできる空間に

和歌山県田辺市 / 森の歯科

建物が看板の代わりに歯科医院のイメージが変わる安らぎ空間。
一番心地よい場所は診察室だ。診察台に座ると、目の前に庭の樹々が見えてくる。ここに植えられている樹々は、和歌山県に自生しているものが中心。造園家と吉野さんそしてTさんご夫妻で樹種を選定。それぞれの部屋に違った植物を植えたのだという。訪れる度に違った植物、四季折々で違った表情を楽しめるのだ。

完成がゴールではない 年月による変化を楽しむ緑の家

兵庫県芦屋市 / 芦屋の家 

密なコミュニケーションで
施主の「根っこ」にあるものを捉える

ケヤキを始めとする樹々は、今回植えられたものでまだ若く、これからどんどん生長していき様相を変えていく。まるで小学生のお子さんの成長とシンクロしているかのよう。時が経つことで変化していくのは、杉板の外壁も同じ。年月が経って色合いが変わることも考慮に入れ、その変化が「深い味わい」やTさんの建物への「愛着」が生まれるように考えられている。

街とつながり、「楽しい」が増える場所。 北向きでも採光抜群、緑豊かな店舗併用住宅

千葉県流山市 / HOUSE F

建築家の福井啓介さんと森川啓介さんは、2人が運営する設計事務所・かまくらスタジオの名前の由来についてそう話す。冬の風物詩であるかまくらはみんなで一緒につくってみんなで入ることができ、そこからコミュニケーションが生まれ、和気あいあいとした楽しい光景を街の中につくり出す。かまくらスタジオという名前には、そんな建築を提供したいとの思いが込められているという。

2人が設計した『HOUSE F』は、その思いを具現化したような建築だ。場所は、自然豊かな住宅街として人気の千葉・流山おおたかの森駅から歩いてすぐ。1階にかまくらスタジオのオフィスとカフェ、2~3階に福井さん一家の住居がある鉄骨造3階建ての建物で、緑に包まれたモダンな佇まいが目を引く。

大好きな音楽と植物に囲まれて暮らす 夫婦の憩う癒しの空間

大阪市旭区 / 新森の四辻

そして、懸案だった光の取り込み。わずかに南から差し込む光を逃さないよう、リビングの上部に開口を設け、それを白壁に反射させることで室内を明るく照らしている。

光という点では、中庭も大きな役割を果たしている。建物が中庭を取り囲むことで、北側でありながらも、適度な明るさをもたらしてくれる。

もちろん、この中庭はその眺めも素晴らしい。植えられた樹木・草花の総数は家全体で93種にものぼる。その樹々が四季折々に、様々な表情を見せてくれるのだ。それを、この家のどこからでも、どんなときにも楽しめる。リビングで寛ぎながら、料理を作りながら、お風呂からだって楽しめる。もちろん音楽室からも。庭の景色は、音楽を奏でるために集まったゲストへのおもてなしにもなることだろう。

家の価値は広さや部屋数ではない 中庭が生み出した、自然とつながる家

大阪府吹田市 / U邸

外観からはこの家に中庭があるようには思えないが、それがとてもよい役割を果たしている。

まず1つめの役割が、家の中へのアプローチとしての役割。門扉から玄関に行くには必ず中庭を通る必要がある。いわば中庭が出迎えてくれる格好だ。植えられた木々が目を楽しませてくれるし、大きくとられた窓から室内の様子も伺える。日本家屋の縁側のように内と外をゆるやかに隔てているのだ。

中庭の役割の2つめは眺望だ。中庭をコの字に取り囲むLDKと和室。どこにいても植えられた木々が四季の移ろいを感じさせてくれる。キッチンに立っていても視線の先には、中庭が目に入る。閉塞感をなくすため、あえて建物の半分には2階を設けなかったため、お月見だってできるというのだから風流この上ない。

また、中庭に面した窓からは、太陽の光が降り注ぎ、室内を明るく照らす。そして窓を開ければ風が吹き抜ける。自然を感じながら暮らすことを可能とした。

まるで避暑地の別荘のよう! 地域からも愛される、雑木の庭が気持ちいい住まい

愛知県名古屋市千種区 / K邸

施主であるKさん夫妻は、ある住宅街で「素敵だな」と思わず見とれてしまったお宅に出会ったそうだ。傾斜地に立つ家の南斜面に木々が茂る庭が広がり、木製の窓も何ともいえない良い雰囲気を醸し出していた。Kさんは(家づくりは)一生に一度のことと思い切ってそのお宅の呼び鈴を押し、設計した建築家を紹介してもらったという。その建築家こそが森さんだった。「10年ほど前に、庭づくりを含めて家を建てたいという方の住宅を設計させていただきました。緑豊かなそのお宅をKさんが見て、ウチにご依頼されたんですよ」。そのような経緯もあり、Kさん夫妻とは初めからある程度同じ価値観を共有できていたという。別荘地のような雑木の庭のあり、暮らしの中で緑を感じられる家。そんな家づくりがスタートした。

川のせせらぎも、もはや我が家! 自然と一体の家づくりの極み

/ Q邸

 夏になると、川はカヌー下りや釣りをする人や、川遊びをする子ども達で賑わう。鮎も上がってくるという。そんな楽しげな川がリビングよりもっと近くで楽しめるのは、広々としたデッキだ。窓を開けるとリビングとフラットにつながり、部屋の延長のようだが、より山の空気を肌で感じられる。

 デッキには、川を楽しむ仕掛けも施した。デッキの一角には、川に向かって張り出した細長いスペースがある。足元の一部はエキスパンドメタルという金網でつくられており、下を流れる川が透けて見える。スリリングな突き出しデッキの反対側には、弓なりにのびている太鼓橋をつくった。優雅に景色を眺めながら降りていくと、川原に着く。橋の下には芝をはり、ちょっとした広場にした。

ウッドデッキが叶えた 優しい間隔と眺望

東京都大田区 / K邸

このウッドデッキ、実に素晴らしい役割を果たしている。
リビングからフラットに続くウッドデッキは、木製の扉を開け放つと、リビングと一体となった開放的な大空間となる。夜も、障子から溢れる灯りで、お互いの存在を確認できる。
デッキ中央に植えられた桂の木はお母さんの名前にちなんだもの。互いの部屋が丸見えになるのを優しく隔てるとともに、四季の移ろいを感じさせてくれる。そして将来、お母さんが亡くなられた後も、その存在を毎日のように思い出させてくれるものにもなるのだ。

そしてもう1つ、このウッドデッキのありがたみを大きく感じられる季節が春だ。向かいの洗足流れの先に咲く、桜がとても良く見えるのだ。実はこの家は、道路より90センチほど嵩上げされた上に建てられている。「洗足流れ」の万一の氾濫に備えてのものだが、その分ウッドデッキも高さが出た。これが塀に邪魔されることなく、真正面に桜をとらえることを可能とした。桜が散るころには、風に舞う花びらがウッドデッキまで舞ってくるという、風流この上ない景色が楽しめるのだ。

家の内と外が自然に繋がる。 全てが1つの大空間に感じられる心地よさ

東京都国分寺市 / I邸

井水邸のダイニングでお話を伺った日は天気がころころと変わったのだが、晴れていたときは小鳥のさえずりを間近に聞くことができ、その後、雨になると雨に濡れた緑の香りも伝わってきて、木陰で雨宿りをしている気分になった。一瞬ここが家の中であることを忘れてしまうくらいに、内部と外部が一体となっているのだ。

床面がフラットで、履物を変える必要もなくしたことで外に出やすいのも一体感が増している理由のひとつ。「天気がいい朝は、ダイニングのテーブルを半分だけウッドデッキのほうに出してご飯を食べたりするんです」と井水さん。朝の澄んだ空気と差し込む光で、さぞかし気持ちのいい朝を迎えることができるのだろう。

家に居ながらにして四季の変化や外部の景色を常に感じられる住まい

埼玉県吉川市 / Y邸

「Yさんご夫婦にとって、ここが終の棲家となります。今はお元気で、遊びや旅行に出掛けることも多いようですが、リタイア後は家の中で過ごす時間が長くなるのは避けられません。そのとき快適であることはもちろんのこと家の中に居ながらにして日々の変化が感じられる楽しい住まいにしたいと考えました。Yさんご夫婦が、日長テレビを観て過ごすような住まいにはしたくありませんでした。そこで、家の中と外が密接に繋がり、自然と庭の景色を眺め、四季の変化や窓からの刻々と変わる光を感じられるようなデザインにしました」

いつも自然を感じて、オープンでいられる家

埼玉県所沢市 / H邸

 ご主人はサーフィンが好きで、千葉の海沿いに暮らしていた頃は頻繁に海に出かけていた。埼玉に引っ越すと海からは離れてしまうけれども、この家なら波の代わりに光や風を常に感じていられる。「風向きや日当りなど、自然のエネルギーを最大限に活かすことは常に考えています」という佐藤さんの提案はHさんの心を掴んだ。最初の提案からこの家に住みたいと思えたので、ほぼ変更することもなかったという。

晴耕雨読 〜自然の循環と共にある生活の器〜


Warning: Undefined array key "data_address" in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 53

Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 53

Warning: Undefined array key "data_title_of_a_work" in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 54

Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 54

Warning: Undefined array key "data_owner" in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 57

Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/klasic/klasic.jp/public_html/klasiccms/wp-content/themes/klasic2023/single-cover-story.php on line 57

Fさんが思い描く暮らしは、まさに「晴耕雨読」。晴れた日には畑を耕し、雨の日には大好きな読書を楽しむという生活である。「Fさんは希望する生活がとても明確だったので、それに沿って家のイメージを膨らませていきました」と語る岩瀬さん。そこで考えたのが、土地の北側にある畑を生かすこと。そして、内と外を隔絶しない空間をつくることだった。畑の日照を確保するため、建物は平屋建てに決定。また、南北に下がる切妻屋根を採用し、庭側に天水桶、畑側に雨水タンクを配することで、雨水をうまく利用できるよう工夫した。さらに、畑がある北と庭に面する南には全開放できる開口部を設置。晴れた日に大きく開け放てば、外と中とで一体感を感じられる…。そんな「晴耕雨読」の暮らしにふさわしい空間は、こうして完成した。

急斜面を逆手に絶好の借景! 目を落とせば室内にも本気の庭

埼玉県所沢市 / S邸

玄関先にはインナーテラスを設けた。何段ものぼってきた分、見晴らしは抜群に良い。斜面の上にあって、すっと外に出られないという意味でも、この家にはインナーテラスが適していた。インナーテラスは、屋根があり、窓や壁で囲まれた完全なる室内にある。隣接するリビングとの境には壁がなく、リビングの一角にテラス席があるような印象だ。室内ではあるものの、使い勝手は外の庭と同じ。土足であがれて、愛犬も駆け回れる。テラスをふちどるように作られた庭には、好きな植物を植えることもできる。もちろん、窓の外は最高の景色だ。