「アイデア収納のある家」特集

屋根裏部屋や床下収納、ウォークインクローゼットなどに憧れ、
マイホームを建てる際に、それらを実際にプランに入れられる方が多くいるようですが、
いざ作ってみると、「意外と使いづらい」「不要だった」という声も・・・。

では、本当に使いやすい収納にするためにはどんなアイデアを設計に取り入れればよいのか?

今回は、そんな問いに応えてくれる、「アイデア収納のある家」を紹介します。
ぜひみなさまの住まいづくりの参考にしてください。

こだわりをさりげなさで包み込む 「静かにデザイン」された家

愛知県犬山市 / Y邸

愛知県犬山市。一面に田んぼが広がるのどかな雰囲気のなか、温かみがあるシンプルな木の家が建っている。風景になじみながら、同時に人の目を引く不思議な魅力をもつ家だ。この家を設計した、建築家の伊原洋光さん・みどりさん夫妻が語る「静かにデザインする」という言葉の意味を、このY邸から探ることにしよう。

コンパクトなのにゆとりある空間の秘密は 螺旋階段と個性的な大容量収納

静岡県静岡市 / I邸

I様夫妻は、ご主人が見せる収納、奥様が隠す収納を望まれていたのだそうだ。完成した室内に家具を入れるとなると、やはり空間を圧迫してしまう。コンパクトな面積でそれは避けたかった戸川さんは、収納も空間の一部として設計し、むしろ広さを感じられる空間を生み出した。

それは見せる収納のためにつくられた螺旋シェルフだけではない。2階のリビングダイニングには片側の壁面に沿ってベンチが備え付けられているが、その下が全部収納になっているのだ。長さはなんと5m。螺旋シェルフとともに、驚くほどの大容量の収納が隠されている。

コンパクトな中に、驚きの大収納も欲しい部屋も、 全部ある!

/ I邸

川沿いに建つ、ランダムにあけられた窓が印象的なI邸は、間口4.5m、奥行き12m、約10坪の狭小住宅。しかしそのコンパクトな外観からは想像できないほど、居住空間はのびやか。スキップフロアのLDKは大容量の床下収納も備えるなど、随所にワザありの住まいなのです。

生活感はなくしても、利便性は損なわない 施主と建築家のタッグで叶えた理想の家

神奈川県厚木市 / 厚木の家

アイランド型のキッチンの背面には、大きな扉が大容量の収納となっている。食器類はもとより、電子レンジをはじめ冷蔵庫などもすべてここに納めた。扉を締めればすべて目隠しできるという。また、キッチンの隣にはパントリーを設置。食材などは全てここに納めることができる。この2つの収納で、とかく生活感が出がちなキッチン周りをスッキリさせることができた。「生活感を隠し、シンプルなデザインを」と希望されていた奥さんも、この仕上がりには大満足のご様子。

キッチン周りを「見せないで収納」とする一方、リビング・ダイニングにはあえて「見せる収納」とした部分もつくった。リビングの脇にある、Tさん設計の飾り棚と、近藤さんの手による階段一体型の本棚だ。

可動の家具で緩く仕切った モダンなワンルーム空間

東京都目黒区 / S邸

1977年築、2LDKのマンションをリノベーションして出来上がったのは、広いワンルームに、そっと生活の補助線を引くように家具を配置した開放的な空間。リフォームに向く物件探しから家具探しまで全面的に協力したという、建築家こだわりの家づくりを覗いてみよう。

無垢の木、タイル…、素材を生かし、 内と外を繋げるデザインに暮らし心地も追求した家

岐阜県岐阜市 / T邸

施主とできる限り多くのコミュニケーションをとることを大切にしている設計士の小川さん。「どういう暮らしがしたいか、なかなか具体的になっていないお施主さんは多いのですが、要望→提案→意見交換を繰り返すことで、具体的な要望が見えてきます」。施主の納得がいく家づくりを叶えてあげたいと、現場での細かいプラン変更、追加も多いというが、今回紹介するT様邸は、まさにその最たる実例だ。

倉庫&大きなワンフロアがイメージ! スキップフロアを活用した「住み手が完成させる住まい」

埼玉県北本市 / M邸

今回の施主であるⅯさんは、まだ20代と若いご夫婦である。もともと建築好きということもあり、家を建てることが決まった際にも頭の中には理想の住まいのイメージがあったという。土地を購入した不動産会社の紹介でハウスメーカーの家などを見て回ったが、どうもピンと来なかったというⅯさん。悩んだ末に最終的に設計を依頼したのが、中山秀樹さんだった。

敷地の内外、庭と建物、建物内の空間…。 境界を限りなく減らして「つなげる」ことで、人も街も伸びやかに暮らせる家

岐阜県岐阜市 / K邸

「border design(ボーダー・デザイン)」という屋号には、家族のつながりが薄れていると言われている今の時代にあって、そんな目に見えない境界線や、建物の内と外など物理的な境界線を意識して、空間づくりをしていきたいという鳥居さんの思いが込められている。設計事務所に依頼する=設計プランをゆだねてくれる人が多い。「だからこそ、施主の言葉になっている要望にはすべて応えつつ、言葉にならない内在的な要望を引き出し、要望や想像を超えられるように設計しています」。そんな鳥居さんの姿勢が存分に表れている実例のひとつがK様邸だ。

デザインと暮らしやすさを 兼ね備えた夫婦の理想の住まい

神奈川県横浜市 / S邸

施主のS様は70代のご夫婦。お子様たちが巣立たれ、夫婦2人の生活を楽しく快適に過ごすための家づくりを近藤さんに依頼しました。しかしそこには、なかなか高いハードルが。
そのハードルを見事にクリアし、夫婦の理想の住まいを実現させた、近藤さんの家づくりに迫ります。

10坪のマンション、可動家具で大変身。 秘密は「四次元設計術」

東京都杉並区 / K邸

築38年、わずか36㎡のマンションをリノベーションし、自宅+仕事場+モデルルームとしてフル活用している、H2DO一級建築士事務所の代表・久保和樹(くぼ・かずき)さん。昼間は2人のスタッフと働く仕事場が、夜には妻と暮らす生活空間へ。さらに可動式の家具を動かすことで多彩なスペースが次々と生まれる、驚きの1室だ。

光を活かす設計と自由な素材使いで 遊び心と暮らしやすさを両立

千葉県船橋市 / Y邸

建築家の吉田祐介さんの自邸兼事務所は、モデルルームの役割も担っており、設計はもちろん素材使いのヒントが満載。光や風をうまく取り込みながら、吉田さん独自のセンスで個性豊かな素材をまとめ、快適性とデザイン性を見事に両立させた空間の魅力を紹介しよう。

狭小いびつな土地で叶えた、 家族4人の快適ハイブリット住宅

愛知県名古屋市 / W邸

狭小な三角形の土地に、施主家族4人の住まいをプランニングすることとなった建築家の竹内直樹さん。高さ制限、土地のいびつな形状や高低差など、厳しい条件をクリアして完成した3階建ては、鉄筋コンクリート造と木造のハイブリット住宅でした。狭小な土地にありながら、家族4人が快適に暮らせる住まいの秘密に迫ります。