ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、パッシブデザイン、ライフサイクルコスト。
いずれも昨今生み出された「省エネ」や「自然環境との融和」をテーマとした「住宅」や「住宅設計」にかかわる用語です。
時代に合わせて、ますます変わりゆく「省エネ住宅」。
当特集では、夏は涼しく・冬は暖かいのに、地球環境や家計に優しく、住まう方々にとって快適な住宅を紹介します。
ぜひみなさまの住まいづくりの参考にしてください。
大阪府豊中市 / サイプレス上野東Ⅵ
大阪府豊中市に立つT邸。もともとこの家は、建築設計事務所であるビ・ハウスがモデルハウスとして建築したものだった。地域密着企業として、この辺りの土地に住む人・その暮らしを想定することから始まった家づくり。得意の無垢材を用い、自社の持つ技術をすべてつぎ込んだというT邸の魅力に迫る。福岡県福岡市 / J邸
J邸は一般的なセオリーに反した「北向きリビング」の家。しかしLDKは年間を通して快適な室温を保ち、心地よい光に満ちている。しかも眺望は抜群で、インテリアは木目を上手に活かしたナチュラルな洗練空間。性能もデザインも大満足の住まいは、どのようにつくられたのだろうか?沖縄県・豊見城市に事務所を構えるHARMO design(ハルモデザイン)。今回紹介するのは、その代表である岸田匡史さんが建てた自邸である。里山の饒波(のは)の杜(もり)の厳かな佇まいにインスピレーションを得て、家づくりを始めた岸田さん。集落に溶け込む建物と最新の設備を両立した、こだわりの家づくりについてお話を伺った。
新潟県新潟市 / ministock-10
家づくりにおいて、建築家が過去に手掛けた作品を見て「このテイストが好き」「この人にお願いしたい」と思うことは誰しもあることだろう。しかし、「自分もこの家と同じものが欲しい」と思わせる建築家はどれだけいるだろう。ネイティブディメンションズの鈴木さんは、そんな稀有な建築家の1人。狭くても機能が詰まった快適な住宅をつくる匠、鈴木さんの仕事に迫る。こうした一つひとつにじっくりと時間をかけ取り組むのは、自分の仕事、施主、建物に「愛情を注いでいる」からこそ。そして、地元の材を使い地産地消に役立てたり、家そのものが地域環境や地域の文化になることも願っているのだという。長野県中野市 / 土間の家
新築なのにずっと前からそこに存在していたように感じる家。これは褒め言葉。その家が周囲の環境と見事に調和し、違和感なく佇んでいるから。自然や地域環境との共存を大切にしながらも、住みよさと美しさを兼ね備えた自邸をつくりあげたのは、建築家のナカタヒロヨさんでした。東京都 / 深沢の二世帯住宅
リノベーションは既存建物の梁や柱の影響で、空間デザインが微妙な仕上がりになることも少なくない。だが、二世帯住宅に改修したこの家では、リノベーションとは思えない洗練空間が誕生。設計を担当したドキアーキテクツ・熊田康友さんの秘策とは?愛知県新城市
ご一家で暮らす家をつくるための建て替えを依頼された、建築家の伊原洋光さんとみどりさん。敷地を見に行くと、元の家の背面に美しい竹林があることを発見した。視線や風が抜ける広々とした室内空間に、唯一無二の竹林の景色がプラスされ、機能性と心地よさがハイレベルで両立する家ができた。愛知県犬山市 / Y邸
愛知県犬山市。一面に田んぼが広がるのどかな雰囲気のなか、温かみがあるシンプルな木の家が建っている。風景になじみながら、同時に人の目を引く不思議な魅力をもつ家だ。この家を設計した、建築家の伊原洋光さん・みどりさん夫妻が語る「静かにデザインする」という言葉の意味を、このY邸から探ることにしよう。夏は風通しがよいばかりか、外壁や屋根に施された換気システムによって室内に熱気がこもりにくい。冬は深夜電力を利用し蓄熱する「サーマスラブ」システムを採用。家中に緩やかな床暖房が効いているようで、土間のコンクリートもはだしで歩けるくらいに温かいというのだから驚きだ。さらに断熱等級4を取得。十分な省エネ効果が発揮されている。静岡県静岡市 / Sハウス
静かな住宅街の一角に自邸を建てることになった建築家の芝田知巳さん。引っ越し前の住まいは昼間でも照明が必要な状況だったことから、隅々まで明るい家をつくりたいと考えた。敷地条件などが厳しい中、芝田さんはどのように家中に光を届けたのだろうか。光だけでなく風も季節も感じられるS邸の秘密に迫る。通風を確保し日光を家に取り入れるのは、パッシブにより省エネ効果を得ることも狙いのひとつではあるが、むしろサラサラと葉のこすれる音や鳥の鳴き声など、家の中から自然が感じられるようにというほうが、意味合いとしては強いという。