省エネ性能と住宅品質をとことん追求
自社設計・施工の強みを生かした「無垢材の家」

大阪府豊中市に立つT邸。もともとこの家は、建築設計事務所であるビ・ハウスがモデルハウスとして建築したものだった。地域密着企業として、この辺りの土地に住む人・その暮らしを想定することから始まった家づくり。得意の無垢材を用い、自社の持つ技術をすべてつぎ込んだというT邸の魅力に迫る。

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間取りから家事動線までこだわり
目指したのは「家族が笑顔になる家」。

豊中市・・箕面市を中心に、地域密着型企業として多くの家づくりに携わってきたビ・ハウス。その高品質な住まいの魅力を体感してもらおうと建築したモデルハウスが、今回紹介するT邸だ。

T邸が建つのは、ビ・ハウスの社屋から歩いて1分ほどの場所。土地は前面道路4~5m、東向きの33.26坪。もともと古家が建っていたところを更地にするところから、家づくりは始まった。

普段ビ・ハウスが手掛けるのはクライアントからオーダーを受けて建てる注文住宅だが、今回はモデルハウスということで、すべてが白紙からのスタートだったそう。当時を振り返り、営業担当の小林さんはこう語る。

「まずはエリアの特性を考え、家を購入する方の所得水準、家族構成などを想定しつつ、プランを立てていきました。お子さんはいるのか、奥様は働いているのか、どのような家事動線や間取りが好まれるのか。考えうることはすべて考えたうえで、設計担当者と共に建築プランを練りました。目指したのは『住むご家族が笑顔になれる家』です」。

検討の結果、最終的に想定したのは、ご夫婦と、お子さん2人。奥様は専業主婦というご家族構成だった。このご家族の暮らしをイメージし、すべてにおいてきちんと理由が語れる間取りを考えたのだという。

ビ・ハウスの持てる技術をすべて駆使して完成したT邸。その外観には落ち着いたグレーを採用しており、周囲に溶け込むデザインとなっている。玄関には、靴やゴルフバック・旅行バッグなどを収納できるFCL、SCLを完備。この玄関はホールを介して洗面所・リビングの両方に行ける2WAY方式となっており、買い物から戻ったらすぐに手を洗い、その先にあるキッチンに食材を運ぶことができる。

片側が壁についているペニンシュラ型のキッチンは、ご家族とコミュニケーションを取りながら料理ができるよう対面型に設計。そしてその奥にあるのが、家族が憩うダイニングとリビングだ。より高さを感じられるよう、リビングの床はダイニングよりも低く設定。南側に大きな掃き出し窓を設けて明るさを確保しつつ、人との目線を気にせずにくつろげる空間を実現した。東側には大きな窓は取らず、吹き抜けと高窓で採光を確保。さらにストリップ階段で開放感と広さを演出し、階段下に収納・ワークスペースを設けている。

2階で特徴的なのが、子どもの遊び場や、洗濯物干し場など自由に使えるセカンドリビングの存在。吹き抜けを介して1階とつながっており、双方にいる家族の気配を感じられるよう工夫されている。可変性を持たせており、将来的には仕切って部屋にすることもできるそうだ。

その奥には6畳の主寝室と、5.3畳✕2の洋間を配置。これは、子どもが小さいうちは、ご夫婦とお子さんが一緒に寝られるよう大きな洋間を使い、子どもの成長に合わせて区切ることができるようにという配慮だそう。将来的には6畳の洋間かセカンドリビングを夫婦の部屋にすることも想定している。

「洋間5.3畳✕2の上には広いロフトスペースがあります。どちらの部屋からでも上がれるので、お子さんが小さい時は家族みんなで寝たり、季節ものの電気製品などを収納できるよう工夫しました」と小林さんは語る。
  • 自然光を美しく反射するキッチンとダイニング。キッチンの天井にはアクセントとしてレッドシダーの木材を貼った

    自然光を美しく反射するキッチンとダイニング。キッチンの天井にはアクセントとしてレッドシダーの木材を貼った

  • 光あふれるリビング。南側に設けられた張り出し窓には防犯ガラスが用いられており、防犯面もしっかり配慮されている

    光あふれるリビング。南側に設けられた張り出し窓には防犯ガラスが用いられており、防犯面もしっかり配慮されている

  • 南側の窓から明るい光が注ぐ2階のプレイルーム。子どもの遊び場として、趣味を楽しむスペースとして、さまざまな使い方ができる

    南側の窓から明るい光が注ぐ2階のプレイルーム。子どもの遊び場として、趣味を楽しむスペースとして、さまざまな使い方ができる

  • 5.3畳が二間続きになっている洋室。床にはオーク材を使って1階と統一感を持たせている。扉・クローゼットがそれぞれ2カ所設けられているため、将来的に仕切って使うことも可能

    5.3畳が二間続きになっている洋室。床にはオーク材を使って1階と統一感を持たせている。扉・クローゼットがそれぞれ2カ所設けられているため、将来的に仕切って使うことも可能

  • セカンドリビングから主寝室を見た様子。1階と2階、2階の部屋をつなげるハブ的なスペースを兼ねている

    セカンドリビングから主寝室を見た様子。1階と2階、2階の部屋をつなげるハブ的なスペースを兼ねている

無垢材の使用とW発電で
木のぬくもりと省エネ性能を追求

木の無垢材を使うことを心がけたというT邸。昨今はブラックウォールナットやブラックチェリーとか濃い色を好む人が多いが、今回はあえて、質感を感じやすい明るい色のオーク材を選んだそう。ダウンフロアリビングの床材は、デザイン性の高いヘリンボーン貼りに。ダイニングとリビングでデザインを変えることで、空間の違いを演出している。
このほか、キッチンの天井には無垢のレッドシダー羽目板を使用。窓の枠材にも無垢材を用いるなど、
木の温かみを感じられる家づくりを徹底した。そしてもう1つ、T邸で注目したいのが、その省エネ性能の高さだ。太陽光とエネファームのダブル発電を採用しているため、災害時でも安心。さらにガス代、電気代も節約できる。

「大きくて豪華な家よりも、現実的な家族の生活がイメージしやすい間取りや大きさを心がけ、お客様が家を建てようと思ったとき、想像しやすい住まいづくりにこだわりました」。と小林さん。T邸と大手ハウスメーカーがつくる家との大きな違いは、よりリアルであることなのだそう。

そのかいあって、モデルハウスとして公開した3カ月の間に20組ほどのお客様が来場。最終的にこの家を購入したのは、小林さんが想定したご家族構成にかなり近い、Tさんご一家だった。実際に住み始めたTさんは、エアコン1台で家中の冷暖房が賄える断熱性・気密性能の高さ、そして、家族の繋がりを感じられる間取りに非常に満足されているという。

ミリ単位の細やかな設計と、周りの住環境を考えた地域密着型の家づくりを得意とするビ・ハウス。小林さんは、「昔は3軒建ててようやく納得できる家ができると言われていましたが、当社は一軒で満足していただける家づくりを実現できると自負しています」と話してくれた。

豊中市、箕面市、池田市、吹田市の情報に精通しており、土地探しからお願いできるというビ・ハウス。この辺りで家を建てたいと思っている方には、きっと頼もしい味方になってくれることだろう。
  • 窓から明るい光が入る対面式キッチン。天板には天然の大理石を使い高級感を演出

    窓から明るい光が入る対面式キッチン。天板には天然の大理石を使い高級感を演出

  • リビングとダイニングは床の高さに変化を持たせた。リビングの床にはヘリンボーン貼りを採用。ダイニングとデザインを変えることでデザイン性も高めている

    リビングとダイニングは床の高さに変化を持たせた。リビングの床にはヘリンボーン貼りを採用。ダイニングとデザインを変えることでデザイン性も高めている

  • 外観。玄関の前がカースペースとなっており、車からすぐに荷物を運びこむことができる

    外観。玄関の前がカースペースとなっており、車からすぐに荷物を運びこむことができる

撮影:アトリエあふろ(古川公元)

基本データ

作品名
サイプレス上野東Ⅵ
施主
T邸
所在地
大阪府豊中市
家族構成
夫婦+子供2人
敷地面積
109.97㎡
延床面積
115.9㎡
予 算
5000万円台