「ワンちゃん・ニャンちゃんと暮らす家」特集

今や犬や猫は単なる「愛玩具」ではなく、「家族」や「伴侶」として人間と密接な関係をもつ存在であり、家の中で共に生活するのはごく当たり前のこととなっています。それゆえ、家づくりにおいて、ワンちゃん・ニャンちゃんと暮らす住まいをどうつくるかは、飼い主にとってとても大切なテーマに。

ここでは建築家の経験と工夫で、人とワンちゃん・ニャンちゃんが最大限快適に住める空間づくりを追求した様々な事例を紹介いたします。
ぜひみなさまの住まいづくりの参考にしてください。

飼い主も5匹の猫も、楽しく健やかに。 猫が生き生き暮らす「猫的町並み」のある家

愛知県 / K邸(1階と2階がシームレスにつながる猫のための家)

施主のKさまと成人した息子さん、そしてかわいい5匹の猫が暮らすこの家は、ファウナ・プラス・デザイン一級建築士事務所の廣瀬慶二さんが設計した住宅だ。

廣瀬さんは、人もペットも楽しく健やかに暮らせる住宅をつくってくれる「犬猫専門建築家」。専門学校で動物との共生について研究を続け、教鞭も取っており、ペット共生住宅の第一人者として国内外で知られている。

K邸はそんな廣瀬さんの知見が至るところに生かされ、キャットウォークなどの「猫のための構造物」もたくさんある。ただ、廣瀬さんは決して、ペットを最優先する建築家ではない。あくまでも人が快適に、心豊かに暮らせる住宅性能やデザインを追求し、その上でペットにとっての理想的な環境をつくり出す。

ペットがいてもインテリアをあきらめない。 犬猫専門建築家がつくる大満足の住宅とは?

兵庫県 / 住吉山手の家(犬と猫と音楽の家)

廣瀬さんはペット共生住宅の設計に多くの実績をもつ「犬猫専門建築家」。3人家族の廣瀬さん一家が暮らすこの家にも、1匹の犬と2匹の猫が住んでいる。

今や犬や猫は単なる愛玩動物ではなく、伴侶として人間と密接な関係をもつ「コンパニオンアニマル」という概念が広まっている。犬や猫が家の中で生活するのはごく当たり前のこととなり、ペットと快適に暮らせる住宅のニーズは高まる一方だ。

それだけに、廣瀬さんの知見は国内外で注目され、ペット共生住宅に関する著書やメディア出演・掲載実績は多数。廣瀬さんが手がけたペット共生住宅が、あのニューヨークタイムズで取り上げられたこともある。

別府の地で愛犬とともに暮らす 理想のライフスタイルを叶えた住まい

大分県別府市 / house-N

家を外から見てまず目を惹くのが、リビングの外側に広がる芝生の庭だ。別府湾に向かって傾斜する扇状地という立地。その高低差を活かした庭はドッグランを兼ね、「リビングのカウンターに座ると庭で遊ぶ愛犬と目線が合うよう、少し地盤を上げています」とのこと。また、芝生の緑が砂防公園の豊かな環境と連続する気持ちのいい空間となっている。

敷地を囲む塀はやや低いように感じられるが、これもリビングから桜並木が眺められるよう高さを計算。あえて塀を低く抑え圧迫感のない軽やかな形状にすることで、地域の人々とコミュニケーションを促す狙いもあった。Nさま夫妻のお人柄ゆえか、今では塀越しに近所の方々と会話することもしばしばだとか。

猫たちも大満足の工夫がいっぱい。 お気に入りの家具も似合う家をローコストで

千葉県 / 大網の家

住まいに対するOさまの要望は、大きく分けて3つあった。1つ目は、一緒に暮らす2匹の猫がのびのび楽しく過ごせること。2つ目は、手もちの家具が映える空間をつくること。3つ目は、コストをできるだけ抑えてこれらの要望をかなえることだ。

こうした要望に吉田さんのセンスが加味された『大網の家』は、猫が楽しく暮らせる「猫ポイント」とでもいうべきものが非常にハイスコアな住宅に仕上がった。しかも、人間が猫のかわいい仕草を見られる仕掛けも盛りだくさん。猫好きならぜひ参考にしたい工夫が至るところにちりばめられている。

目指したのは、人も猫も快適に暮らせる住空間

神奈川県横浜市 / S邸

リビングを印象付けるもう1つの要素となっているのが、奥様こだわりのアイランドキッチン。全体のテイストと合わせて今回造作されたもので、こちらもSさんの希望通り、無駄のないデザインで統一されている。「食器棚や収納も全部見えないようにしたいとお願いしたのですが、見た目もスッキリしていて、とても気に入っています」と奥様は笑う。そして壁沿いには、2匹の猫のためのキャットウォークが。ちなみにS邸では猫が脱出しないよう、二重の扉で玄関ドアと室内を仕切るなど、石川さんが得意とする、猫のための工夫も随所に生きている。

わずか6坪に、4人家族の豊かな住まい。 明るく開放的な「都心のオアシス」

東京都 / NANO OASIS TOKYO

天井高4.5mの吹抜け空間。シャビーシックな床に美濃焼のモザイクタイルを合わせた内装も洒落ていて、天井にはアンティーク調のシーリングファンも。爽やかに通る風が西海岸の海風のように思えてくる、とても居心地のよい空間だ。

このダイニングキッチンからは、スキップフロアでつながる2階のリビングとバルコニーが見通せる。バルコニーはプライバシーを守る木製ルーバーで囲ってあるから、ダイニングキッチン~リビング~バルコニーまでが1つの大空間のようで実にのびやか。小さなお子さまや愛犬が駆け回るのにうってつけの空間だ。