今や犬や猫は単なる「愛玩具」ではなく、「家族」や「伴侶」として人間と密接な関係をもつ存在であり、家の中で共に生活するのはごく当たり前のこととなっています。それゆえ、家づくりにおいて、ワンちゃん・ニャンちゃんと暮らす住まいをどうつくるかは、飼い主にとってとても大切なテーマに。
ここでは建築家の経験と工夫で、人とワンちゃん・ニャンちゃんが最大限快適に住める空間づくりを追求した様々な事例を紹介いたします。
ぜひみなさまの住まいづくりの参考にしてください。
愛知県 / K邸(1階と2階がシームレスにつながる猫のための家)
施主のKさまと成人した息子さん、そしてかわいい5匹の猫が暮らすこの家は、ファウナ・プラス・デザイン一級建築士事務所の廣瀬慶二さんが設計した住宅だ。兵庫県 / 住吉山手の家(犬と猫と音楽の家)
廣瀬さんはペット共生住宅の設計に多くの実績をもつ「犬猫専門建築家」。3人家族の廣瀬さん一家が暮らすこの家にも、1匹の犬と2匹の猫が住んでいる。大分県別府市 / house-N
家を外から見てまず目を惹くのが、リビングの外側に広がる芝生の庭だ。別府湾に向かって傾斜する扇状地という立地。その高低差を活かした庭はドッグランを兼ね、「リビングのカウンターに座ると庭で遊ぶ愛犬と目線が合うよう、少し地盤を上げています」とのこと。また、芝生の緑が砂防公園の豊かな環境と連続する気持ちのいい空間となっている。千葉県 / 大網の家
住まいに対するOさまの要望は、大きく分けて3つあった。1つ目は、一緒に暮らす2匹の猫がのびのび楽しく過ごせること。2つ目は、手もちの家具が映える空間をつくること。3つ目は、コストをできるだけ抑えてこれらの要望をかなえることだ。神奈川県横浜市 / S邸
リビングを印象付けるもう1つの要素となっているのが、奥様こだわりのアイランドキッチン。全体のテイストと合わせて今回造作されたもので、こちらもSさんの希望通り、無駄のないデザインで統一されている。「食器棚や収納も全部見えないようにしたいとお願いしたのですが、見た目もスッキリしていて、とても気に入っています」と奥様は笑う。そして壁沿いには、2匹の猫のためのキャットウォークが。ちなみにS邸では猫が脱出しないよう、二重の扉で玄関ドアと室内を仕切るなど、石川さんが得意とする、猫のための工夫も随所に生きている。東京都 / NANO OASIS TOKYO
天井高4.5mの吹抜け空間。シャビーシックな床に美濃焼のモザイクタイルを合わせた内装も洒落ていて、天井にはアンティーク調のシーリングファンも。爽やかに通る風が西海岸の海風のように思えてくる、とても居心地のよい空間だ。