「車やバイクを愛してやまない」「だからこそ愛車のお手入れを室内でしたい」「風雨やイタズラから車を守りたい」「小さい敷地だからガレージを家に取り込みたい」「できれば、居住空間に居ながらにして愛車を愛でたい」。そんな施主のさまざまな要望に建築家が徹底的に向き合い、空間造りを行った家をここでは紹介します。ぜひみなさまの自分らしい住まいづくりの参考にしてください。
神奈川県鎌倉市 / I邸
仲の良いご夫婦が暮らすこの家は結婚式場のようなイメージでデザインしたという。吹き抜けのらせん階段の下には、ご主人の愛車を眺められるウェイティングホールをつくった。「ビルトインガレージの前に、簡単な来客対応ができるようなスペースとして設けました。関係の深いお客様には2階のプライベートリビングにあがってくつろいで頂いて。ガレージの天井にはミラーがついていて、ウェイティングホールから愛車を眺められるんです。」と菅原さん。/ M邸
くつろぎの空間として最もこだわりを持っていたのがリビングだ。とにかく広く、ゆったりとした造りがいい。リビングから直接、主寝室へ行ける動線も欲しい。リビングでインナーガレージの愛車を眺めたい……etc.だが、Mさん一家は夫妻と2人の娘さん、奥さまのお母さまの5人家族。邸内にはダイニングやキッチン、バスルームなどの水まわり、家族それぞれの個室も必要だった。約86坪と都内にしては広い敷地とはいえ、そこまで贅沢な空間使いは可能なのだろうか? 北園さんに聞いてみた。/ N邸
依頼を受けた建築家の長谷山泰三さんの設計は、使用頻度の高い玄関からLDKへの動線が洒落ている。玄関を入ったらまず階段へ向かうのだが、階段のある玄関ホールにビルトインガレージが見える窓が設けられ、Nさんの愛車をチラ見できるという仕掛け。そして前述の階段で窓越しの緑を横目に2階へ上がると、フロアぶち抜きの開放的なLDKが広がるのである。埼玉県 入間市 / N邸
N邸の1階に配されているのは、ご夫婦の趣味であるバイクのメンテナンスなどができるバイクガレージと、このガレージを眺めることができるLDKだ。LDKの天井は高い吹き抜けになっており、上からも光が降り注ぐよう考えられている。大きな吹き抜けは上下で温熱環境が分かれてしまうため熱効率が下がるが、白砂さんは天井のサーキュレーターで空気を循環させることでこの課題に対応。常に過ごしやすい環境づくりを目指したのだそう。