東京都内の住宅密集地で、狭小地の家づくりに臨んだ建築家の藤田敦子さん。開放感や採光を得るために工夫を凝らし、自然素材の心地よさに満ちたナチュラルな空間が完成。日本では避けて通れない地震・水害リスクへの現実的な対策も注目だ。
この建築家に玄関(写真右奥)~リビングダイニング~キッチンを大きなワンルーム空間とすることで、閉塞感や圧迫感のないのびやかな空間に。玄関を入ると1階全体が見えるが、ダイニングの家具も、藤田さん設計のキッチンも雰囲気が良く、ホッとくつろげるカフェのよう
内装や造作家具に藤田さんが選ぶ素材を使い、その他の家具や照明器具なども藤田さんのおすすめを取り入れると、質の良さを感じさせるナチュラルで素敵な空間が完成する。シンプルな食器や雑貨がさりげなく置かれただけで、とても絵になる
キッチンとリビングダイニングに設置したペンダントライトは、益子で活躍する陶芸家・伊藤叔潔(よしゆき)さんの作品。磁器でつくられており、光が柔らかく透過する
リビングダイニングから玄関を見る。K邸の敷地は3方を隣家に囲まれているが、玄関側は道路に面して最も光を入れやすいため、玄関を型板ガラスのガラス戸にしてたっぷり採光。階段がオープンかつスケルトンなので、階段沿いの窓から入る光や風もリビングダイニングに届く
撮影:遠山功太