退職をきっかけに築36年の家の建て替えを決めたIさん夫妻は70代。建築家の北川裕記さんは、これまでの夫妻のライフスタイルを大切にすべく、間取りは大きく変えずに素材や窓の工夫で快適さをグレードアップ。そして、どんな家に住むことが2人の今後の暮らしを充実させるのかを考えた。
この建築家に1階リビング・ダイニング/南に位置し、まばゆい自然光が燦々とそそぐ。以前とほぼ同じ間取りながら、国産スギのナチュラルな色合いのむく材で明るく爽やかな印象に。塗り壁は火山灰を利用した白洲そとん。調湿、吸臭効果がある
1階畳コーナー/すっきりした暮らしを好みソファを置かないIさん夫妻だが、「お昼寝できる空間が欲しい」と、リビング・ダイニングの横に畳コーナーを設けた。コンパクトなため、収納の下に空きスペースをつくって男性でも足をのばせるようにしている
1階畳コーナー/畳の下は収納になっている。以前は西に位置する奥の壁に大きな窓があったが、暑い西日を遮って明るさだけを得られるよう、ハイサイドの窓に変更した。対角の東側にもハイサイドの窓があり、風通しは極めて良好
撮影:アトリエあふろ(鈴木暁彦)