中古の一戸建てをリフォームし、ご自宅にしようとお考えだったK様。建築家の渡辺泰敏さんに相談し、一緒に物件探しをするうち「やはり新築がいいのでは」と方針を転換する。購入したのは一般的に条件がよくないといわれる旗竿地。しかし、これこそが建築家とともに土地選びから始めたゆえの最良の選択だった。
この建築家に2階リビングダイニングからキッチン方向を見る。キッチンの背面にある棚付きの窓から道路まで見渡せるように計画した。反対側の南にも大きく開口しており、南北に視線が抜けるため狭さを感じない。「階段からも視線が抜け、圧迫感なく階段を行き来できます」と渡辺さん
2階ダイニングからリビング。視線が自然に外へ抜けるよう、階段の動線に合わせて長細い窓を互い違いに開口した。リビングにはほかにも大きな窓があり、ゆとりが感じられる。ご要望があったプロジェクター投影は画像右奥の壁面を利用する。あらかじめ天井裏に配管なども整えている
階段は「抜け感、透け感はあるけれども、怖さは感じないようにこだわりました」と渡辺さん。
1階南側個室は光が豊かに入り明るい。将来的な使い勝手を考え、ドアも収納も2つずつ設置、真ん中で仕切れるようにしつらえた。奥の小窓からは階段下のスペースが見える
フレキシブルに使える納戸。「このスペースがあるとないとでは、家の使い勝手が違います」と渡辺さん。十分な広さがあり、どのように使おうか想像が膨らむ一角になっている
2階をさらに上がると塔屋がある。ルーフバルコニーへは右側の窓から出入りする。手すりには造り付けで棚を兼ね合わせた。洗濯物を干すために必要なものや、ルーフバルコニーでひとときを過ごすために必要なものを置いておくことができ、とても便利
キッチン。急勾配の屋根を現しにしたような天井は、空間のアクセントになっている
2階、洗面脱衣室。トイレの右横には、洗濯機を置く。鏡越しに見えるのは浴室のドア。水回りをコンパクトにまとめ、LDKのスペースに余裕ができた