「ユウ建築設計室」の吉田祐介さんが手がけたこの家は、2匹の猫と暮らすOさま一家の住
まい。邸内には、猫と人間が楽しく暮らせる工夫が盛りだくさん。猫の習性に配慮しつつ
内装デザインにもこだわり、風合いのある家具が映える素敵な空間が完成した。
南から見た『大網の家』。吉田さんは南に立つ2軒の隣家の間に庭があることに着目し、そこからうまく光を採れるよう窓を計画している。ウッドフェンスで囲まれたところは、猫たちが自由に遊べるテラス。高さのあるウッドフェンスで猫が敷地外に出てしまうのを防いでいる
玄関土間はモルタル仕上げ。正面はLDKへのドア。帰宅時は、横のスリット窓から猫がお出迎えしてくれる
LDK。天井、梁、壁の一部に取り入れた赤い珪藻土クロスがモダンなアクセントになっている。高さを抑えたダイニングの天井は、赤い珪藻土クロスを張った梁とラワン合板を組み合わせて、洒落た表情に
1階の洋室上部のキャットウォークにある丸い小窓は、2階の階段ホールの猫スペースとつながっている。2階にいる猫が1階の部屋をのぞきこむ姿は悶絶級のかわいさ。猫自身の楽しさだけでなく、「猫がこんなことをしたらかわいいな」という人間の願望もかなえた設計はさすが
LDK。ダイニング(写真左)は天井高を抑え、テラス側のリビング(写真右)は天井が高い吹抜けに。空間のメリハリが生まれ、1室空間の中で異なる居心地を楽しめる
LDK。Oさまの要望も踏まえ、窓は空間が明るくなりすぎないように計画。やさしく入る陽光が陰影を生み、ヴィンテージの家具がしっくり馴染む
LDK。床は無垢フローリング、壁は珪藻土クロスと風合いのよい素材を使い、シックな家具が映える空間に仕上げている。階段側面はセメントと繊維を主原料とするフレキシブルボードを大判にカットし、タイルのように張っている。こうした独創的な素材使いは吉田さんの得意分野
2階の階段ホール。奥はLDKの吹抜けに面しており、1階にいると上から猫が見下ろすかわいい姿を見られる