「モノが多くてなかなか片付かない」と悩んでいる人はたくさんいるだろう。「いつか整理しよう」と思っていても、なかなか上手くいかないのが現実。夫婦の長年の懸案だった、モノが多いという問題を解決した、リノベーションとは?
この建築家に玄関を入って右にあった個室をキッチンスペースに変更。リビングへは2方向の動線で回遊できる仕組み。玄関収納上部には絵を飾るスペースも設けた。
奥様が10回以上ショールームを訪れ選んだキッチンは、フットスイッチ付き。上部や裏側に収納スペースを確保したほか、壁もマグネットがとりつけられるようにするなど、利便性を高めた。
手洗い場は、廊下に設置。帰宅後、リビングや寝室に向かう動線の途中で手洗いができる。
室内は、壁の白や造作家具の白さやフローリングがナチュラルな雰囲気をもたらしている。夜になると間接照明が室内を柔らかく照らす。テレビ台の両脇には雑貨を飾る棚、上部にはCD棚を設けることで、好きなモノに囲まれたリビングになった。
玄関から続く白い壁の一部は収納棚。上部がCDを収納する棚になっており、CDをショップのように並べておける。
リビングの収納棚は高さを可変できるため、CD・DVDや書籍はもちろん季節家電などの大型のものも収納可能。ドレッシングルームとの境にはあえて扉を設けず1つの空間に。
ドレッシングスペースには、下部収納つきの小上がりを造作。写真左には、奥様がお持ちの箪笥3竿分が入る。寝室と隔てる扉の上部にはポリカーボネートの板を設置することで、光は通すものの音は防ぐため、テレワークにも影響を与えにくい。
寝室とその先にあるテレワークスペース。寝室にも洋服掛けやCD棚を設置。ワークスペースの後方には本棚を設け、WEB会議の背景としてそのまま利用できるようにした。
3LDKという部屋割りを取り払い1つの空間を収納で仕切るようなイメージの回遊型のゾーニング。様々な場所に収納を設置し物量に対応したほか、隠さず飾ることで、好きなモノに囲まれた生活を提案し好評を得た。
撮影:中村 晃