建築家の小野さんが70年代の建築にこだわって物件を探し、見つけたのは1977年築のマンション。建物の丈夫さは申し分なかったが、自宅として快適に暮らすためには多くの問題を解決しなくてはならなかった。大規模リノベーションによって生まれ変わった空間を紹介しながら、「豊かな環境」について考える。
この建築家にキッチン奥の木製の引き戸から浴室やトイレにつながる。キッチンはペニンシュラ型。一般的にコンロとずらして配置するシンクも端に寄せ、十分な調理スペースを確保した。手前はフレキシブルな空間。マットレスを重ねて片付ければフリースペースが広がり、より贅沢な使い方ができる
リビング側、水回りへの引き戸。戸を閉めているときは金具も見えず、室内空間がすっきりとした印象に
リビングから土間を見る。もともと洋室にあった窓と、室内へ入る扉を開けると、反対側の窓まで一直線につながり換気能力が高まった。写真左側はすべて収納。引き戸に余計な装飾をつけず、素材感を生かしたシンプルなつくりにした。そこが収納だと気が付かないお客様も多いのだとか