自然素材で仕上げた立体志向の健康住宅。
隣接するマンションからの視線、北側隣地に対する日照への配慮、予測される近い将来の周辺環境の変化などに対応する形態として、家型の一辺を台形状の敷地なりに斜めに切り落としたシンプルな外形が導かれました。
2階に設定したリビングは、その周囲に書斎・キッチン・ロフト・テラスなどを配することで、これらが外部との緩衝帯となりワンクッション挟んで外と繋がるため、プライバシーの守られた安心してくつろげる環境が確保されています。
また、リビング自体は白い漆喰塗装でスッキリと仕上げつつ、その白壁に穿たれた開口からは、切り取られた空や、書斎やロフトに用いられた素材の表情が顔を覗かせます。さらに、場所ごとに異なる床レベルも相まって、シンプルながらも変化に富んだ楽しい空間が生まれています。
外部の仕上げは、各方位ごとの日射受熱に対する断熱性・壁体内通気促進を考慮して、東西壁面は火山灰による土壁、屋根と南北壁面は黒系金属板を用い、自然素材と工業製品の質感の違いを各面で対比的に仕上げています。
撮影:多田ユウコ