長野県駒ヶ根市の幹線道路沿いの歯科医院である。「親子で通える」というクライアントの要望を軸に子育て世代とそのお子さんを中心として生涯に渡って親子で通ってもらえるような歯科医院を目指した。
親子で通いやすい歯科医院
来院しやすい医院とするために患者さんのプライバシーを考慮しながら院内が見えるような開放的な建物とした。院内からは外の景色が見え診療前の待機時間をリラックスして過ごしてもらえることを意図している。また親子用の待合スペースを一般の待合スペースとは分けて計画し小さい子ども連れでも気兼ねなく過ごしてもらえるようにした。
診療室は動線、家具、照明など機能的なつくりとする一方で建物の中央にありながら自然の光を採り入れ、空や外の景色が見える気持ちの良い環境をつくっている。それは患者さんだけでなく、スタッフの方が気持ちよく働くことができる環境になるように考えている。また、診療室への出入口も一般的に医療施設でよく見かける大きなハンドルが付いた鉄製ドアではなく、住宅のスケールと同じ木製ドアとしたり、キッズ診療室のドアは家型に見えるようにしたりして診療に対する緊張感を緩和できればと思っている。
外観は幹線道路側にヴォリュームが大きくなる2層分の建物を配置し、住宅地側は極力平屋部分を配置し、かつ分節しながら植栽を設けることで近隣に対して圧迫感が軽減されるようにした。
隣接している住宅は歯科医師の仕事を支える場所として家族で寛ぐ場所、個々の居場所を形状、寸法、設えに変化を与えながら効率的な動線でつなぐ計画としている。