閑静な住宅地に建つ住宅のリノベーション。
自宅の隣に建ち、ここ数年は住まいとして利用していなかった建物を、来客者をもてなすセカンドハウスとして、また、趣味の読書を気兼ねなくできるスペースとしてリノベートしたプロジェクト。
LDKは全体的にトーンを抑え、落ち着いた仕上がりとなっている。壁一面埋め尽くされた本棚やテレビ台と一体となった暖炉などがアクセントになり躍動感を与え、静と動を兼ね備えたかけがえのない空間をつくりあげている。
大きなキッチンカウンターは、ワイン好きなクライアントのくつろぎ空間としてだけでなく、椅子の配置を変えるだけで、「臭いや油を気にすることなく家庭でも思いっきり鉄板焼きをしてみたい」という奥さんの思いに応じたフード付きダイニングテーブルとしても利用できる。遊び心を兼ね備えた独創的な宙に浮いたキッチンカウンターは、調理スペースの概念を変える新たな可能性を見いだせた。
現在は白を基調としたシンプルでミニマルな空間にお住いだが、そこから数歩歩くだけで実生活を忘れさせてくれる優雅で上質な空間ができあがった。
撮影:太田 拓実