木造二階建て・建築面積19坪/延べ床面積32坪の住宅です。計画地は神戸市北区にある、空が広いのどかな住宅地の一角ですが、ここが特別なのは、川沿いの桜並木に面しているところ。プライバシーをうまく確保しながら、この桜並木を一年中感じられる空間ができれば、素敵な住まいになりそうだと考えました。
プランではコストのことも考え合わせ、外部空間を積極的に活用しました。見るためのガーデンでもなく、年に数回しか使わない野ざらしのテラスでもない、新しい外部空間=アウトドアリビングです。
外部と内部の境界を曖昧にし、自然と外に出てしまうようなデザイン、夏の強い日差しを遮る工夫、雨をしのげる屋根やタープ、常設されたソファやテーブルなどの家具──庭でもテラスでもなく、あくまでも〈リビング〉を目指しました。桜並木からアウトドアリビング、LDKへと連続してつながった、合計31帖の家族団欒のための空間が広がる住まいです。
撮影:Akiyoshi Fukuzawa