山間の住宅地に計画した住まいです。敷地の建蔽率は40%、それをいっぱいまでいかして建築面積14坪弱の狭小住宅となりました。
はじめて敷地を見に行ったときに、登っていくほど空が広がり山が近づくこと、また眼下に見渡す街の風景に癒されたことが印象に残りました。敷地のまわりで飛び跳ねながら、どこまで視線を上げればいい景色が望めるか、みんなで期待に胸を膨らませたのを覚えています。
そこで、この家はPerisco Hausと名づけました。periscoはperiscope=潜望鏡の略です。この場所は視線の高さによって、また眺める方向によって景色が変わります。高さを変え、方向を変えながら眺めたい景色を選べる、潜望鏡のような家。気分によって過ごす場所を変え、それぞれのお気に入りの場所で楽しく生活できる家をめざしました。
撮影:Yuko Tada