敷地は神戸の山の麓、急な坂道を登った先の、景色のよい場所にあります。周辺は大きなお屋敷がゆったりと建ち並ぶ、神戸らしい閑静な高級住宅街です。そこへ木造2階建て、建築面積27坪、延べ床面積48坪の住まいを計画しました。
プランニングの過程でまず意識したのは、景色のよいポイントを「どこに」「どのような空間として」レイアウトするかということです。周辺環境がよく、景色の良い方角も広くとれるので、最適な場所を決定するにあたっては逆に迷いました。しかし、駐車スペースと敷地へのアプローチ動線が宅地造成によってあらかじめ決まっていたこと、隣接する土地では南側と東側のレベルが一段低く、またそこにある建物の屋根も低く抑えられていることをヒントに進めていきました。
結果として、個室は1階にまとめ、2階にすばらしい景色を見渡せるテラスを配して、それをできるだけ家族の居間であるLDKへ取り込んでいく、という構成となりました。9.2帖ある〈絶景〉テラスは、25.8帖のLDKと大開口のフルオープンサッシでシームレスに繋がっているため、自然と外に出たくなるようなスペースとなっており、〈アウトドアリビング〉のような使い方ができます。両方を合わせると35帖、さらに外には〈絶景〉が広がる、大きな家族団欒の空間をつくることができました。
また機能性の面でも、弊社標準仕様の高気密高断熱に全館空調システムをプラスアルファし、常にクリーンで快適な温度の環境を実現しています。
撮影:Akiyoshi Fukuzawa