駅前の公共施設などが続くエリアからだんだんと住宅街に差し掛かっていくちょうどその境界のような場所に建つ住宅です。
敷地は幅9mもある公共エリアから続く南側道路と西側の住宅街の隙間のような幅2mほどしかない42条2項道路に接する角地で
セットバックによって約17㎡もの敷地を失うことでできた細長い土地でした。
建物は敷地いっぱいの間口を確保・奥に細長い形状とし、ご要望でもある“人の集まる居場所”を公共に近い南側に配置しました。
そこからゆるくグラデーションをつけ徐々にプライバシー性の高い個室へと移っていく構成としています。
しかし、南側に大きく開きたいものの前面道路の通行量も非常に多く、同時に距離も取りたいという問題もありました。
そこで大きなテラスを緩衝帯として挿入、インテリアから続く連続梁の家型をそのままファサードに現し内外の空間を等価に扱うことで、その駅から続くグラデーションをすんなり受け入れることのできる住宅になりました。
友人らとテラスで食事をするときには街との関係性を感じ、少し掘り込まれたリビングでソファに座れば囲まれた安心感の中でくつろぐことができる。
ここで暮らすご家族が自宅で快適に過ごすことはもちろんのこと、この街での生活も楽しみながら暮らせることを願っています。