奄美大島南部の、美しい砂浜に面する別荘です。
施主が不在であってもその佇まいで建築が地域に愛されるよう、現地の伝統建築「高倉」を想起させる形態としました。
島内の様々な因子の再編集により構成したこの住宅は、『風土』を形作るアノニマスなエレメント群を内包した、歴史的文脈と地続きの新しさを目指した建築です。
週末住宅として友人たちと集まることのできるおおらかな空間を形づくりながら、離島固有の文脈の継承も試みています。
頂部に天窓と日よけを持つ大きな気積の小屋裏のような2階と、コンパクトな機能空間である1階はすのこ床でつながっており、空気を共有し風や光が抜ける、高温多湿で日差しの強い風土にあった心地よい住環境となっています。
撮影:石井紀久