隣は郵便局、南側は近くの図書館や学校につながる車や人通りの多い道路に面している。
築80年の木造2階建て自治会館の建替えである。建主は地域への貢献の意味を込めてこれまで自治会に無償で建物を提供してこられた。
今回の建替えにあたっては2・3階を単身者向け共同住宅とし、その賃貸料で建築費を賄うという計画になっている。これまで建っていた80年という年月以上に永く使われることを目指し、建物の耐久性をあげる努力と共に、将来の間取り変更や用途変更にフレキシブルに対応出来るよう、建物は4本の鉄骨柱と梁のみで構成している。
高齢の方の利用が多い自治会館部分は、居心地良く過ごせるよう小さな庭に面したベンチコーナーを設えた。共同住宅のバルコニーにはスチール製のガラリ戸を設け、プライベート性の高い半屋外をつくり、建て込んだ住宅街にあるワンルームマンションでありながら暮らしの質を高めている。
建物正面には地域の方から寄贈されたヤマボウシが植えられた。この建物が愛着を持って末永く活用される場になることを期待している。
撮影:小川重雄