「私は衣を脱ぎ、本の森へ帰る」
家族それぞれが外での活動を終え、家に帰ってくるとまず大きなクローゼットが迎えることとなります。そこで、それぞれが衣(洋服)を脱ぎ、身体を軽くしたら2階に上がります。そこは家主が集めた各国の本が並んでいる森のような場所です。窓辺には2つのヌック、キッチン奥には書斎があり、家族は思い思いの場所で時間を過ごすことができます。
家全体は大きな屋根に包まれているような外観とし、またその外壁は実家との間に共有で作った日本庭園との境界にもなっています。日本庭園は、先代から大切に受け継がれた石を中心に配置され、将来を見越してスロープで実家とつながっています。
また、窓枠、本棚、小屋裏の床、階段は、家族皆で塗装を行いました。子供たちが実際に手を動かして家を作る体験をすることで、この家と共に成長する彼らにとって貴重な記憶として残り愛着も増すことでしょう。
撮影:Isao Imbe