大阪の下町の雰囲気を残したこの土地は周囲が小規模の2,3階建ての住宅や町工場のある密集地であった。周囲の住宅を見ると道路側に大きめの開口を設けてはいるが、プライバシーを守るため、カーテンを閉め切っている住宅がほとんどであった。また、施主は子供が居間を通って子供部屋へアクセスする動線とし、室内を明るく保ちたいという要望であった。1階となる居間にどのように採光を届けるか、シンプルな操作でこの問題を解決できないかと考えた。
居室の位置は人通りの多い道路から距離をとることで、街の喧騒を離れた一隅となる。駐車場とアプローチのある建物の空地部を南東側に設け、そこに大きな開口部を設けることで、前面道路からの採光を十分に確保した。また、階段途中に設けたテラスにより、通りを歩く人の視線を遮る。それは居間から車を見えない位置とし、テラスに設けた手摺を兼ねたルーバーは、周囲の住宅からの視線を遮った。2階にある居室は南側の隣地建物を交わした位置にハイサイド窓を設け、採光をとる計画とした。室内は少しでも明るく感じさせるため、白を基調とした内装とした。