私たち3110ARCHITECTSは、翻訳家であり、デザイナーであり、指揮者であり、技術者の集団であることを自覚し、クライアントの夢や希望に向きあいます。そして建築物はクライアントの財産であるとともに、風景の一部だと考えます。上質な建築を創り街並みに美しさを添えることが、私たち3110ARCHITECTSの役割であり、社会貢献につながると信じています。
建築家の詳細
「家族と飼い犬との生活が、豊かに安全に営めること」が建主の希望の主軸でした。人間の動線と分けるための独立した散歩用出入口や、トリミング(シャンプーやドライング)のための個室を設け、来客や道路を行き交う人に吠えたりせず落ち着いて時間を過ごせるようプランニングしました。
防犯を意識して外部から閉じたプランになったことによって、かえって道路から玄関までのアプローチや庭にゆとりが生まれ、植栽の伸びやかさが引き立ちました。内部空間も屋根勾配を活かした天井形状に素材の上質感が加わり、しっとりと柔らかく仕上がったと感じます。物理的に特別な要素はあるとしても、暮らしやすさや心地よさはヒトでもイヌでも同様で、大切なのは住宅としての良い組み立てなのかもしれません。
撮影:新澤一平