この家をPiccolo Teatroと名付けました。イタリア語で「小さな劇場」です。日常の中で起こるほんの些細な出来事や発見さえも、舞台に立つ役者の様な大げさな身振りで楽しもうとするイタリアの人たちと重なったのです。生きる事は繰り返す事だと行っても過言ではないかもしれません。家の中で毎日繰り返される実にたわいもない事は、10年、20年と蓄積される中で、気持ちのありようや家族の関係に知らず知らずのうちに大きな影響を及ぼします。
この家の設計が始まったときご夫妻は結婚して間もない頃で子供さんはまだいらっしゃいませんでしたが、ここで子供を育てながら、生きる事を真正面から受け止め楽しめる家を創りたいと思いました。