アトリエのある自宅を建設し、以前より住まい手の目線で設計が出来るようになってきたように思います。
その場でどんな時間を過ごすか、使い勝手はどうか、空間をどう感じるかなど、可能な限り具体的にイメージし、模型やパースを用いて説明するようにしています。
一見家づくりに関係のない、休日の過ごし方や趣味の話など、設計のヒントになることも多々あります。
建築家は家づくりのパートナーです。対話を重ねながら理想の住まいをつくりあげましょう。
クライアントの要望、事業の目的を深く理解し、設計を通じてそれに答えていくのはもちろん、もっと深くにある根本的な部分に目を向けたいと考えています。 僕たちは知らず知らずのうちに、住宅あるいは建築とは、一般的にこうあるべきといった、既成概念に囚われていないでしょうか。 現在の生活において、当たり前と思っている物事に知らぬ間に囚われ、本当の豊かさや快適さを手に入れられずにいるとしたら、それほど残念なことはありません。 出来た当初は見たことがなくても、すぐに今までの日常に取って代わるような、新しくて豊かな体験を生む建築。その場にいる人、訪れる人を幸せにするような建築をつくりたいと考えています。 こうして出来上がった建築は、ひとつひとつは個別解であっても、建築やデザイン、社会の常識を考え直すきっかけとなって行くのではないでしょうか。
1976 | 新潟県南魚沼市生まれ |
---|---|
2006 | 神奈川大学大学院修了 |
2009 | 設計事務所勤務を経て独立 |
2010 | 株式会社腰越耕太建築設計事務所 設立 |
神奈川県中郡二宮町 / A邸
60代のAさんご夫婦が終の棲家として建てた、神奈川県・二宮町の一軒家。土台や柱といった構造部にヒノキをふんだんに使い、細部まで「上質」にこだわった住まいである。設計を担当したのは、建築家の腰越耕太さん。その細部にわたる家づくりのこだわりを、詳しくご紹介しよう。
福島県 / S邸
食事、睡眠、家族との会話…。それはまさに自宅における「日常の暮らし」そのものです。しかし、施主であるSさんご夫妻が住まいに求めたのは「非日常の空間での暮らし」。さらに、息子さんご夫婦との同居が決まり、S邸のプランは2世帯住宅へと変化していきます。ひとつ屋根の下で2つの家族が適度な距離感を保ちつつ、非日常空間が感じられる住まいを実現したのは、腰越耕太建築設計事務所代表の腰越耕太さん。今回は、相反する要素を見事に両立した家づくりをご紹介します。