建築設計は場所や時と切り離せない作業である。 それゆえ、その都度、計画を取り囲む状況を確かめながら、スマートな解答を模索し、ものを組み立てている。 そうして組み上がる建築は、時には旧来の形であったり、時には既存の置き換えであったり、時には全く新たな様相をなしたりする。
森や土壌は、物質と生物と気候の共同作業により長い時を経てつくられる。その状況にあやかりつつ、人が場に適切な手を入れることで、森や田畑は豊かな収穫をもたらしてくれる。建築設計もそんな風に場を耕しながら、人と場の美しい関係性を創りだす業で在りたいと思っている。
/ 集合住宅
都心からおよそ40分。東武東京スカイツリーライン「蒲生(がもう)」駅から徒歩5分ほどの、約2,900㎡の土地に誕生したのは、「蒲生シュミグラシ WA nest(ワ・ネスト)」と名付けられた斬新な賃貸集合住宅です。趣味や仕事と暮らしが一体化した20の住戸に、地域に開かれたコミュニティスペースが併設された、「現代の長屋」。その魅力を、現地で探りました。
静岡県駿東郡
家で仕事をしていて家事もこなすTさん。これからずっと過ごす家をつくるなら、納得のいくものにしたいと細部までこだわり抜きました。その甲斐あって、趣味のものづくりに没頭できる工房、お気に入りの椅子が映えるリビングと、どこをとっても申し分のない理想の家になりました。