6mの一枚板カウンター、天然の丸太を使用した天井など贅を尽くした空間が魅力的な割烹料理店。設計した建築家の傳寶さんは、特別感のある食事である割烹料理にふさわしい空間をつくるため、素材選びから施工まで一切手を抜かずにこだわり抜いたという。もちろん、コンパクトな空間の中、申し分ない機能性も整えた。
この建築家に手前のアプローチは勾配、奥の店内はフラットと天井を切り替え、違う空間へ進んだという意識を高めた
1階店内。一枚板のカウンターが圧巻だ。茶室に倣い、天井の高さや仕上げに変化を持たせて空間を見ごたえのある、上質なものにつくり上げた。右奥、木材の柱のような部分の内部にダムウェーターがある。厨房を広くするため店内に配置したが、デザインでカバーし気配が感じられない
1階店内。客席側の天井は茶室でよく使われる手法という杉の綱代張り。窓側の壁面はすべて収納。戸に簾状の素材を貼っているため、戸棚が主張せず場の雰囲気を壊さない。窓の両側の大きな収納はコート入れ。窓の外は駐車場のため遮るものがなく、光も豊富に入る
撮影:冨田 英次