見晴らしがよくて、明るくて、開放的。家族の居場所がゆるやかにつながる一体感や遊び心もあり、夏も冬も快適に過ごせる──。施主様の理想をかなえたY邸ですが、実は西向き・傾斜地など気になる条件もあったのだそう。そんな懸念材料をメリットに変え、魅力的な住まいをつくり上げたのは建築家の蘆田暢人さん。「これぞ建築家の建てる家!」といいたくなる、高度な設計ノウハウと発想力に迫ります。
この建築家に2階 リビング/階段の両脇にはシンプルなベンチがあり、棒の手すりはベンチの背もたれにもなるなど、楽しい遊び心が満載だ。階段右のフェンス状になった部分から下をのぞくと1.5階や1階が見えて冒険心をかき立てられ、お子様にとっては格好の遊び場に。写真右端にはリビングから1.5階へ下りる階段があり、家中をぐるりと回れるような造りになっている
2階 リビング/天井が高く柱のない空間は、抜群の開放感。高度な設計スキルと斬新な発想で、贅沢な景色に向かって大きく開かれた気持ちのいい住まいが完成した
東の外観/傾斜地に立つY邸は玄関を入ると2.5階で、そこから徐々に下っていくスキップフロア構造。屋根の白い箱のようなところはキールの部分。道路に面した東の先端にもトップライトがあり、爽やかな朝日が入る
2.5階 キッチン&ダイニング/ダイニングは東、大きな窓のあるリビングは西に配置。Y様一家は、暑い夏は涼しいダイニング、日差しが暖かい冬はリビングで過ごしている。こうして季節ごとに家族の居場所を変え、住まいを楽しむこともこの住宅のコンセプトの1つ
2.5階 ダイニング/キッチンカウンターと一体になったダイニングテーブルや、屋外の景色を見下ろせるカウンターテーブルが造り付けてあり、お子様はここで勉強することも。ダイニングテーブルは、写真手前の角をあえて削ってあるのでここにも椅子を置くことができ、大人数が座れる
2.5階 書斎/書斎はダイニングと同じ階だが、ダイニングに対して少し斜めになった遊び心のあるレイアウト。視線がぶつからず、ほどよい距離感・一体感があって落ち着ける。写真左の白壁にはガラスが張られており、ホワイトボードとして使える