恵まれた自然環境を生かし、明るく開放的に暮らしたいとお考えだったお施主さま。建築家の上原さんは要望に応えるため、なんと建物を半分地中に埋めてしまった。完成した生活空間は地下。しかし、自然光で明るく、風が抜け、空も見えて気持ちがいい。さらに、家ができたことで自然の魅力も増したという。
この建築家に屋上。ところどころ光孔があり、秩序を持って中庭が計画されているのがわかる。画像右、建物の縁を活用してベンチを計画。屋上にも居場所ができ、活用の幅が広がった。キューブ上に突き出した箇所は1階ワークルーム。窓を細く1周開口し、浮遊感を出した
玄関ポーチから音楽ホールを見る。ポーチも中庭の1つであり、上部が開口しているため明るい。室内右、テラス3のガラス壁その他、多方向から光が入り、視線が空まで抜けるおかげで、地下という印象はほぼ受けない
地下、音楽ホール。右にテラス3、左には家の中心に位置するテラス2がある。広々とした音楽ホールでは友人たちが集うこともあるという。奥はリビングとしているが、それは暫定的なもの。区切り方がゆるやかなため自在に用途を変えられる。階段はゲストルームへ続く
撮影:鳥村鋼一