ハウスメーカーとの打ち合わせで「ピアノの部屋が欲しい」と要望したら、ピアノがぎりぎり入る小さな部屋を提示され、しっくりこなかったSさん。新たに相談を受けた建築家の松岡淳さんが提案したのは、なんとピアノを土間で楽しむという斬新なアイデアだった。しかもこの土間には、ほかにもさまざまな役割があるという。S邸の象徴的な空間となった大きな土間の魅力とは?
この建築家に1階 土間から外を見る/土間からテラスへの開口は大きな掃き出し窓。左右に壁を残していないので見た目がとてもすっきり。土間が屋外とひと続きの空間になり、開放感をもたらす
2階 夜のLDK/天井埋め込みのダウンライトのほか、キッチン背後やテレビ台の下には間接照明を設置。夜は柔らかな光でゆったりとくつろげる。ダイニングは、手もとを明るく照らすペンダントライトを採用(写真では消灯)。照明を吊るす部分のコードが見えないすっきりしたデザインを選んだ
2階 和室/リビング隣接の和室は、1階の土間の吹抜けに面している。吹抜け側は断熱性のある和紙ブラインドで、すべて開けると土間のハイサイド窓を通して隣の実家の桜が見える。ブラインドとリビング側の障子を閉めれば完全な個室になり、客間として使用できる