建築家の岡さんは富山移住を機に自邸を新築した。移住を決意するきっかけとなったのは、連なる山々の美しい風景だ。後立山連峰と田園風景が楽しめる絶景の地を購入し、思い浮かべたのは「大樹に守られた暮らし」。大きな屋根が包み込む家で、テーブルを囲んで集う家族の暮らしぶりを見てみよう。
よき「パートナー」として、ご要望・条件をしっかり洗い出し、整理することひとつのカタチを導き出すこと 真摯にものづくりに向き合うこと たくさんの職人さん達とプロジェクトを達成するための要(かなめ)である設計士としての姿勢を大切にそして時代、技術が変わっていくなかで、より磨きをかけていきたいと日々思っております。 口下手です。
建築家の詳細
2階、子どもスペース。階段脇にあるのが大黒柱。構造を現しにした天井は、耐震性が確保できる杉Jパネルを使用して梁の数を減らした。画像右、南の窓から入る光は正面の白い壁面に反射し、天井に当たって1階に落ちる。夏場は画像左のエアコンのみの稼働で快適
2階子ども室1、2。現在はハンモックを外し、建具を入れて2部屋にした。壁が入りコンパクトな空間になっても、天井が2階全体で繋がっているのがわかるため圧迫感がなく、また安心感を得られる。扉を開ければ、本やおもちゃなどが置いてある子どもスペースまで意識が拡張される
2階、長女の個室。当初は岡さんが書斎にするつもりだったそうだが「集中できるからとすごく気に入ってしまって」と、長女の部屋となった。学習に必要なものだけを部屋に置いてあり、気持ちの切り替えがしやすい。天井が低く落ち着きがあり、かつ窓の外には雄大な景色が広がる
1階、夫婦の寝室。本棚やデスクを壁に入れ込んで壁面をフラットな印象に整えた。本棚に立てかけた梯子を上ると物置がある。天井高が低く、踏み台を用意すれば容易に物置に仮置きできる。「使い勝手を考えなくては、収納を用意しても結局使われなくなってしまいます」と岡さん
1階、洗面脱衣室、浴室。洗面のタイルはお子さまたちが選んだもの。岡さまの3人のお子さまは皆女の子。だからこそ、よりこの場所が重要になってくるだろうと広々とさせ、収納も使い勝手を考えながら造作した
1階キッチンから、家を見渡す。2階の吹き抜けは一部ガラス張りにしたので、お子さまの様子がわかりやすい。顔が見えるところ、見えないところと両方計画し親子の距離感の取り方を調整した。2階正面は子供室1,2。上部の空間から天井が続くのが見え、1階の開放感が高まる
1階キッチン、ダイニング、和室。目の前に広がる田んぼと、桜並木、後立山連峰の絶景を満喫すべく、南面は大きく開口した。和室とダイニングでL字にテラスを囲み、視線と西日除けとしている。ダイニングには大きなテーブルを置き、家族団らんに役立てている
1階リビング、和室。天井が高い場所があるからこそ、天井が低く落ち着きのある場所のよさも引き立つ。リビングと和室はフラットに繋がり、戸を開けるとリビングが意識的に拡張する。和室は2方向に開口し、リビングのソファからも遮るものなく風景が楽しめるように計画した
外観。暴風雪がある地域のため、メンテナンスのことを考えるとガルバリウム鋼板などの強い材料を使用したほうがいいという。しかし、人の目の高さの部分は柔らかい印象で仕上げたいと考え、自然素材ながら高耐久性をもつ「そとん壁」を採用した
2階、南面フリースペース。左側の壁面で窓からの強い光を反射させ、1階には柔らかく光が落ちるように計画
撮影:シマセ写真館 島瀬航
よき「パートナー」として、ご要望・条件をしっかり洗い出し、整理することひとつのカタチを導き出すこと 真摯にものづくりに向き合うこと たくさんの職人さん達とプロジェクトを達成するための要(かなめ)である設計士としての姿勢を大切にそして時代、技術が変わっていくなかで、より磨きをかけていきたいと日々思っております。 口下手です。
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