先祖から受け継いだ300坪以上の敷地に建つ家を、セカンドハウスとして建て替えたい。そんな要望を受けて建築家の北園徹さんがつくった住居は、伝統的な日本家屋でありながらエキゾチックで前衛的。遠い過去と現在が、不思議なバランスで邂逅する空間だ。
この建築家に玄関ホール/大勢の親族が集うことを想定し、土間も玄関ホールも贅沢な広さをとった。和の空間と相性の良いアジアンテイストの家具は、Hさん夫妻が海外旅行の際に買い求めたもの。「気に入った家具を置き、インテリアを楽しんでくださっているようです」と北園さん
リビング/「10年経っても20年経っても変わらない空間を」というコンセプトでデザイン。全体的にダークな色使いだが、柱の1本を明るいオレンジ色にしたおかげで重苦しさがない。このセカンドハウスは親族が集まって法事などを行う場としても使われており、奥には仏壇を設えた和室もある
和室/リビング・ダイニングとひと続きの和室からは、古くから残る蔵が見える。伝統的なナマコ壁も取り入れられた蔵の存在が、和の庭の魅力をいちだんと際立てる
撮影:石黒 守