オーナーが滞在することはもちろん、1棟貸しの宿泊施設としての稼働も見込んだ別荘の設計依頼を受けた建築家の藤本さん。白浜の美しい海をより美しく見せるため、1階と2階をV字型に重ねた建物を提案した。リフレッシュするための空間は、開放感に溢れ非日常感がたっぷり味わえる。
外観。建物は高台に位置する。建物の左には隣地が迫っているが、急斜面のため新しく建物は立たないだろうと判断して購入を決めた。道路を挟んだ向かいには、もう一つの購入の決め手となった食事のおいしいオーベルジュがある
北から建物を見る。張り出した部分は左から2階テラス、2階和室、1階テラス。和室は、2階テラスが北東に向かっているため、室内からもサンセットを楽しみたいとの要望を受けて計画した。2階を支える柱を内側に入れ込み、まるで建物が浮かんでいるような効果を得た
エントランス。画像中央が1階玄関、右奥が2階の玄関。玄関扉とその並びの壁面は燻製処理を施したサーモウッドで揃え、かつ壁と扉が一体となって見えるようにデザインした。塗装の関係で画像では多少違って見えるが、現在は同じくらいの色味になっているという
撮影:冨田 英次