鎌倉の豊かな自然に馴染みつつ、モダンで都会的な佇まいが目を引くこの家を設計したのはdesus(デサス)建築設計事務所。邸内は光や風が心地よく通り、大切なペットへの配慮も盛りだくさん。鎌倉に住むならこんな家を建てたいと思える住宅だ。
この建築家に道路に面した南の外観。『Layered house』は軒の深いゆったりとした平屋で、道路側には広いドッグランもある。シックなグレーの外壁、レッドシダーの軒天など、モダンな印象の外装が周囲の木々と緑に調和し、「この場所にこの家がある価値」を感じさせる
東から見る『Layered house』。背後に小高い山林があるため、災害対策の条例に沿って山林際に擁壁を設ける必要があった。擁壁を全てコンクリートにすると重さが出てシャープな外観を損ねてしまうが、黒いロックフェンスを組み合わせることで洗練された印象に
敷地は道路より一段高い。盛り上がった土地を整えている石は、小田原・早川の天然石。この石はdesusとお付き合いのある植栽の職人さんの紹介で入手したもの。これまでに培ったネットワークを駆使し、コスト圧縮と、重厚感のある佇まいの両立を実現
トップライトのある明るいエントランス。邸内に入るといきなり空が見え、屋外のような開放感に驚く
LDK。室内にテラス(写真右)がぐっと入り込み、屋外の爽快感を間近に感じられる。大切なペットへの配慮も厚く、床はノンスリップの磁器タイル、壁は消臭効果を期待できる漆喰塗装。畳コーナー(写真左)の下のガラリの中にはペットに快適な熱環境をつくる床下エアコンがある
LDKのダイニング。造作したダイニングテーブルの天板はブラックウォールナット。desusはこうした造作家具の素材選びにも同行してくれる。エントランスとの仕切りは縦格子(写真奥)で、家事中も帰宅した家族の気配がわかりやすい。写真左奥には山林側に設けた坪庭が見える
撮影:ヤマベスタジオ 山邊章史