暮らしやすい閑静な住宅街にある「ナカノくんの家」。道路側からしかほぼ採光が期待できない厳しい条件でも、間取りを工夫すれば光がたくさん入る家ができると建築家の貴志さんは言う。コンパクトな敷地に「広々とした明るいLDK」を実現した驚きの方法とは?
この建築家に和室からLDKを見る。和室とLDK、ウッドデッキは床のレベルを変えずに計画し、ひとつの空間として演出。床を途切れさせないよう和室は吊り収納とした(画像左)。室内に壁や仕切りを設けず、道路側の壁面いっぱいに開口した窓から取り入れた豊かな光を部屋中に行き渡らせた
要望から、玄関に手洗いを設けた。コロナ禍でより一層活躍するようになったそう。手洗いの壁面のタイルは奥様が選んだもの。玄関エリアとLDKはガラスの吊り戸で仕切られ、床が一続きになっているため奥行きが感じられる。LDKにいても玄関にいても印象が広々としている理由だ
2階にある、この家で唯一の廊下。ただ通過する場所にせず、幅を広くし居室の収納を補う役割も果たしている
撮影:母倉 知樹