兵庫県・加古川市に建つA邸は、atelier thuの坪井飛鳥さん、細貝貴宏さん、上田 哲史さんの3人が手掛けた住宅である。住宅密集地の家にもかかわらず、室内から視線が抜ける開放感。存在感を放つ大黒柱…。3人の個性とアイディアが随所にちりばめられた、A邸の魅力をご紹介しよう。
この建築家に道路側から見た外観。外側は塀で覆われているため、外部の視線も気にならない
南側から見た外観。外壁には汚れても洗いやすいガルバリウムを使用しているが、それだけだと冷たい印象になるため、雨がかかりにくい場所に木材を用いることで変化をつけた
2階の床の構造(米松)がそのまま1階の天井になっている。右側にある大黒柱は、樹齢500年の米松。隠すのはもったいないため、そのまま大黒柱として生かした
和室には1階から続く窓があり、ルーバーで外の視線を遮っている。ルーバーは上向きに角度をつけてあり、道路から見ると中が見えないが、室内から見上げると空が抜けるつくり
Aさんの要望により、床暖房を備えた磁器タイルのリビング。天井高が5ⅿほどあり、南側から陽光が差し込むため解放感たっぷり
撮影:©Hirofumi Imanishi