区画整理された分譲地だと、敷地形状が同じになるため、隣家の建物との違いを出しにくくなる。その中で建築家の塚本さんが設計したI様邸は、塀や外壁にあえて何種類もの異なる素材を使うことで個性を演出しつつ、奥行きにリズムをもたせる空間表現も考え抜かれた家。室内にも随所に、多彩な工夫が凝らされている。
この建築家にリビングのテレビの両サイドには、ダイニングのフロアと高さを合わせてL字形のカウンターを造作。友人たちが集まるときなどは、丁度良い腰掛けとして利用できる。また、普段はお子様が机代わりに使って勉強などをできるよう、書棚や照明も備え付けた
リビングは梁見せの勾配天井にすることで高さを出し、さらにダウンフロアリビングにすることで、空間をより広く感じられるようにした。リビングの床から天井までは最高部で約3.6mある
キッチンはオーダーメイドのアイランドキッチン。面材もリビング天井と素材を合わせ、ラワン材を採用することで、LDK空間全体でデザインに統一感をもたせている。すぐ横には、I様の要望でもあるパントリー収納も設置
存在感のあるリビング階段。ストリップ階段にすることで、リビング内に配しても空間に窮屈さを感じさせないようにしている
撮影:植村崇史