「木造に見えない木造住宅」という施主のリクエストに応え、まるでRC造のようにモダンな住宅をつくった建築家の八田政佳さん。どんな希望も全力でかなえようとする設計姿勢、技術・デザインの引き出しの多さで人気を博す八田さんの家づくりの魅力とは?
この建築家に玄関ホールに入るといきなり「白の世界」に引き込まれ、美術館か高級アパレルショップに足を踏み入れたような錯覚を起こす。正面には浮遊感のあるオブジェのような階段。写真手前右の壁は少し厚みをもたせ、間接照明を入れている。おかげで玄関土間もすっきり洗練された印象に
段差がゆるやかな階段で、玄関ホール全体がゆったりとした雰囲気に。階段沿いは隣家と視線がぶつかる部分だけ壁があり、上下は大きなガラス窓。吹抜け上部から明るい陽光が入ってくる。階段下は窓越しの庭と同じ白い砂利石が敷かれ、屋外とのつながりを感じられる
玄関ホールの階段側から玄関を見る。玄関ドアの左、壁の上の窓から漏れる光は中庭からの自然光。I邸は勾配のある敷地形状を活かしたスキップフロアで、写真左の階段をのぼった通路の先にLDKが広がる