高級料亭を思わせる佇まいが印象的なT邸。邸内には風情あふれる茶室と、高原リゾートの別荘のようなLDKが広がるハイエンドな住宅だ。さらには快適に過ごせる熱環境も万全。Tさまの要望に期待以上の形で応えた、建築家・奥野公章さんの設計の魅力に迫る。
この建築家に1階リビング。2面を大きく開口した設計と広縁が活き、リビングにいながら庭の一部にいるような開放感。窓のロールスクリーンや網戸は完全に引き込むことができ、広縁や庇の構造は細い鉄骨を使用。庭とのつながりや景色を邪魔しない、ディテールにこだわった造りはさすが
1階LDKのリビングからキッチン・ダイニングを見る。キッチンから右に進むと玄関ホール。床は玄関ホールと同じタイルで仕上げ、統一感を出している。奥野さんが採用する床下冷暖房システム・パッシブ冷暖はタイルの床も十分に温まり、温度ムラもなく、熱環境は通年快適
2階通路から1階の玄関ホールを見る。階段の手すりはガラスで、階段そのものの美しさや浮遊感が引き立つ。玄関ホールは茶室の露地としての役割を果たすスペースだが、上質なモダン建築といった趣もある空間だ