新築マンションを購入するも、リビング・ダイニングの狭さが不満だったIさん夫妻。壁を撤去して空間を広げる計画を進めていたが、途中で相談を受けた建築家の伊藤 悠さんは「それでは期待通りの結果を得られない」と、別の改修を提案する。伊藤さんはどんなことに気づき、どのような空間をつくったのだろうか?
この建築家にリビング/内装の床や壁の素材に合わせて、ブラックウォルナットと、ビーズブラスト加工を施したステンレスでテレビボードを設えた。上品な質感が高級感を醸すと共に、やわらかな反射光で空間の広がりを演出する
ダイニング/閉塞感のあった個室は、陽光が差す明るいダイニングに一変。収納を撤去したおかげでダイニングセットを置いても余裕がある。写真右手にはキッチンへの出入口があり、家事動線もよい。伊藤さんはこうなるという完成予想図をCGのリアルな画像で見せてくれるので、とてもわかりやすい
収納 パソコン用デスク/ダイニングの収納は新たにつくったもの。ここには以前、構造の柱や梁が出ていた。造り付けのパソコン用デスクは扉で隠せるので、普段は空間をすっきり使える
収納 衣類用/ダイニングの収納には衣類用スペースも。いちいち寝室のクロゼットへとりにいかずともアウターなどをかけられて便利だ。内部の色はグレー系の内装に映える水色を使うなど、ちょっとした遊び心も楽しい