自邸付き賃貸マンションの建設は規模も費用も大きいだけに、長い目で見てオーナー自身が住みやすく、かつ、円滑な経営が叶うものをつくりたい。「うちはどちらの点でも大満足です」と語るYさん夫妻のパートナーは、(株)イントロンの立岡陽さん。立岡さんが設計した住み心地抜群のオーナー邸と、経営者・入居者の双方に魅力的なマンションとは?
この建築家に7階(自邸)玄関ホール/邸内に入ると、ゆったりとした玄関ホールと美しい曲線を描く螺旋階段がお出迎え。半円形のガラス越しには光をとり込む中庭もある。写真右の南側がLDKへの入口、写真奥が和室、写真左の北側は応接間と水まわり
7階(自邸)ダイニング・キッチン/建物の高さ制限の関係で斜めにカットされた壁が空間に動きを生み、不思議な居心地のよさがある。合わせて造り付けのダイニングテーブルも斜めに設置し、テーブルまわりの空間を均等な広さに。おかげで動線がよく、デッドスペースもない
7階(自邸)リビング/家族が集うリビングは開放感たっぷり。写真右の窓の先は屋上庭園、写真左の窓越しには中庭。中庭のおかげで両サイドから採光でき、風も気持ちよく通る
7階(自邸)応接間/10年前の入居時は夫妻の寝室だったが、現在はお子さんたちの独立で空いた8階の居室を寝室とし、ここは応接間に。玄関やキッチンと近く、来客をもてなす際も便利だ
8階(自邸)螺旋階段 上/8階へ上がったところ。街並みを一望でき、抜群の開放感。8階には入居時にお子さんの部屋としていた3つの居室があり、現在は寝室や書斎として使用
7階(自邸)中庭/大通り側のコンクリート壁は細長く開口し、騒音などを適度に遮りつつ光と風をとり込む造りに。窓越しのリビングは写真奥の窓で屋上庭園とも面しており、両サイドからたっぷりと日差しが入る
共用エントランス/高級感漂うエントランス。オートロック、宅配ボックス、エレベーター内カメラの映像ディスプレイなど、分譲マンションに勝るとも劣らないスペックを備える
エレベーターホール/共用スペースはゆったりとした広さをとり、贅沢な仕様に。ガラスや御影石など内装材も厳選し、照明も駆使して洗練されたデザインに仕上がった
賃貸住戸/ケーブルテレビ、インターネット回線など充実設備の住戸は、コンクリート打ち放しをアクセントにしてデザイン性も高めた。単身者用の賃貸マンションは狭いハコに最低限の設備を押し込めた造りも多いが、水まわりはそれぞれ独立させるなど、“家”としてのしっかりした間取りも人気の秘密
外観 南側・北側/外壁は南北で色味を変えるなど、遊び心あふれるデザイン。外装仕上げの工夫と、劣化を感じにくい素材の組み合わせで、築10年とは思えないほど美しい
外観/大通りに面した正面の外観。デザインモチーフは“十字型”。小さな十字には「個の空間の分割」、大きな十字には「その個の空間をまとめるひとつの建物」という意味合いが込められている
撮影:アトリエあふろ(糠澤武敏)