小山田剛さんが自宅兼事務所として建てたのは、温もりあるシンプルな家。建築家としてだけでなく、夫、そして父親としての目線からも考えられた住まいは、大らかに家族を包み込んでいる。小山田さんが家の中に散りばめた「小さな豊かさ」をひも解くと、家と暮らしにおいて本当に必要なことは何かが見えてくる。
この建築家にリビング、西側の窓からやさしい光が入ってくる。「西日は倦厭されがちですが、ブラインドを利用して柔らかな、気持ちいい光を感じることができます。これもゆとりを感じる小さな豊かさ」と小山田さん
窓は明るさのためだけでなく、季節を感じるためでもある。在来種でまとめた植栽には小鳥が寄ってくることも
一般的な寸法より10センチほど幅広い階段。アールに加工された壁面の角は家にやさしい印象をもたらした
収納はこのウォークインクローゼットと、1階の納戸、リビングの小上がりの下と大きいものを3つ配置した。それぞれ大きめの容量があり、とりあえず何でもしまっておける使い勝手の良いものだ。上部の空間にアキをいれたのは、仕事中でも子どもの気配を感じられるからだという
撮影:Life Photo Works