デザインの仕事に従事するTさんと、昆虫研究にいそしむお父さま。建築家の李 孝哲さんが二人のためにつくったのは、ちょっと変わった大きな屋根裏のある住まい。光の表情を楽しめるシンプルでおおらかな空間は、Tさんの仕事の充実度にも一役買っているようだ。
「人の生活に寄り添った住まいづくりを」という強い想いから、独立し個人事務所を開設。 リフォーム、住宅、マンション設計と数々の物件を手がけ、2013年に株式会社ムービング・アーキ一級建築士事務所を設立。 現在は、注文住宅から、大手デベロッパーのマンション、商業施設など幅広く携わっている。 外国人建築家として日本を客観的に捉え、日本文化を軸にした住まい作りに専念している。
建築家の詳細
2階/階段を上りきったところから見たTさんの居室。ワンフロア・ワンルームで約50畳とただでさえ広いのに、垂木、柱、小窓が連続して並び、さらに奥行きを感じさせる。垂木が支える屋根の構造材はベニヤ板を用いることが多いが、「本物の素材感にこだわりたい」と、Tさん邸ではスギ板を使用
2階/写真手前のフロア中央と、奥の階段付近の2カ所にトップライトを設置。上方から明るい自然光が入るだけでなく、室内にいながら青空や白い雲、夜空に瞬く月や星を望むことができ、空が身近な暮らしを楽しめる。家具は最小限にしているが、写真右手奥にはTさんの仕事スペースもある
階段上部/階段を上りきったところは、床にガラス張りのグレーチングを取り入れた。真上には屋根の傾斜に沿ってまたがる滑り台のようなトップライトがあり、この窓を通した光や眺めが階下の1階まで届く
1階LDK/連続した10枚の障子が圧倒的な存在感を醸すLDKは、ナラ材のフローリングに電気の床暖房を入れてあるので冬も快適。キッチンは対面式のアイランドタイプも考えたが、広さを優先して現在のスタイルに。キッチン上部はガラスがはめ込まれ、LDKの明るい光がキッチンの先にある洗面室にもおよぶ
玄関土間/トップライトからそそぐ光に包まれた土間。上がり框は2段に分け、Tさんのお父さまが出入りしやすいように配慮した。高さは建築中にTさんのお父さまが実際に上って、使い勝手を試してから決定
洗面室、バスルーム、トイレ/清潔感のある白で統一された水まわりはゆったりとしており、車椅子でも動ける広さ。バスルームの大きな窓を始め各所をバランスよく開口し、採光も湿気対策も万全
外観/箱から飛び出したような廊下部分が個性的な外観。外壁はモルタルの上にソフトリシンを吹き付けたもので、砂のように少しザラついた風合いが面白い。色は夜間に照明をつけたときに美しく見える黒を選んだ
「人の生活に寄り添った住まいづくりを」という強い想いから、独立し個人事務所を開設。 リフォーム、住宅、マンション設計と数々の物件を手がけ、2013年に株式会社ムービング・アーキ一級建築士事務所を設立。 現在は、注文住宅から、大手デベロッパーのマンション、商業施設など幅広く携わっている。 外国人建築家として日本を客観的に捉え、日本文化を軸にした住まい作りに専念している。
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