建築家の日部(かべ)友裕さんが自邸を建てたのは、周囲を建物に囲まれた21坪の旗竿地。「自分の家だからこそ、あえて狭小×旗竿というハードルの高い土地を選んでみました」。完成した住まいは陽光たっぷり、明るく開放的で眺望も抜群。旗竿地とは思えないのびやかな空間は、いったいどんな工夫で生まれたのだろうか。
この建築家に2階 ダイニング~リビング/家族で憩うのにふさわしい、明るく開放的な空間。床はシルバーチェリー、白壁は珪藻土で高級感のある仕上がりに
2階 リビング/写真右、北の天井は高度斜線制限の関係で低くしたが、南の高い天井や東西の窓のおかげで圧迫感はゼロ。むしろ空間に包まれている安心感があり、ゆったりくつろげるリビングになった
2階 LDK南東/唯一、眺望が開けていた南東を大きく開口したほか、屋根を片流れにして東の天井を高くとり、ロフトを設置。トップライトやハイサイド窓もふんだんに設けてたっぷり採光。写真左、螺旋階段の横の『タテノニワ』からも光が入り、建物に囲まれた旗竿地とは思えないほど明るい
螺旋階段・中庭/1階から2階への螺旋階段に沿った北東角に、邸内の“タテの空間”をつなぐ吹抜けの中庭をしつらえた。『タテノニワ』と名づけたこのスペースのおかげで、家の中の広い範囲に自然光の明るさがおよぶ
地階 ワークスペース入口/写真中央の階段の先が玄関ホール。地階は、階段で玄関ホールから半階分ほど下がった高さに位置する。写真左の窓から見える『タテノニワ』を通して自然光が入り、穏やかな明るさ。写真右奥は書庫兼ウォークインクロゼットとして使用中だが、広いので寝室や書斎としても使える
撮影:アトリエあふろ(古川公元)