開放感ある2階LDKを確かな技術で実現。
柔軟な発想とデザイン力が光る、煌めきの家

都市部の住宅街にある土地を購入されたお施主さま。外部からの視線を気にすることなく、明るく開放的に暮らしたいと希望していた。建築家の田主さんは、2階に3階までの吹き抜けを持つ大空間のLDKを木造で実現。ホテルのようなラグジュアリーな雰囲気の中、毎日、気分を上げて暮らせる環境をつくり出した。

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こだわりあるお施主さまのセンスに応え
アクセサリーのような煌めきと楽しさをLDKに

東京都世田谷区、閑静な住宅街の一等地に建つ「IT邸 華のある家」。その名の通り、調度品ひとつとってもラグジュアリーで、室内は明るくキラキラとした印象を受ける家だ。

「そこにいるだけで気分が上がる、おしゃれなホテルのような家、さらにいうならアクセサリーみたいな家をイメージしてプランニングしました」と話すのは、設計を担当した株式会社ボーダレスデザインの田主健二さん。お施主さまとは住宅コンサルタントを介して知り合ったという。

当時お施主さまは土地を購入したものの、なかなか波長の合うハウスメーカーや建築家と出会えずにお困りの状況だった。その頃田主さんは神戸で活動していたが、依頼にまで至らなかった建築家との打ち合わせなどを通して「絶対に合うから」と、コンサルタントが縁を繋いだのだそうだ。

敷地の周辺には田主さんが手がけた家がいくつかあり、お施主さまは田主さんとの初回打ち合わせ前にそれらを実際に見学されたそう。そのうちのひとつを奥さまが「そのまま、同じ家にしたい」というほどとても気に入られ、依頼を決めたとのこと。

家づくりの中心となったのは奥さま。特にこだわりがぎゅっと詰まった2階のキッチンは、見ているだけで心がときめいてしまう。キルト地のように波打ち、さらに鏡面仕上げを施しキラキラと光を反射するステンレス製のワークトップ、シャンデリアのようなランプシェードと、映画や本で憧れていた空間が目の前に広がっていることに感動する。ひとつひとつの質の高さはもちろん、組み合わせの妙にもセンスが光っている。

奥さまが一目ぼれしたという、まさにアクセサリーのような輝きのキッチンについて「実は加工の複雑さ、繊細さからメーカーからはあまり使用しないで欲しいと言われたんです」と笑う田主さん。LDKは来客と過ごす場所でもあり、だからこそ空間を彩るインテリアのひとつとしてキッチンも見せたいのだろうと、奥さまの要望を的確に捉え遊び心とともに取り入れた。

一日のうち長い時間を過ごすだろうキッチンやLDKが、一番気持ちの高まる場所となった「IT邸 華のある家」。思い描いていたイメージがそのままに表現された空間で過ごす一日が、より楽しく、より幸せなことは間違いない。
  • 外観。2階のグレーの壁面の内側にはテラスがある。住宅街にあるため明るさを確保しつつ視線を遮った。効率的な動線も魅力。エントランスからだけでなく、ガレージからもご主人の個室やシューズクローク、室内へダイレクトにアクセスできる

    外観。2階のグレーの壁面の内側にはテラスがある。住宅街にあるため明るさを確保しつつ視線を遮った。効率的な動線も魅力。エントランスからだけでなく、ガレージからもご主人の個室やシューズクローク、室内へダイレクトにアクセスできる

  • 2階LDK。画像奥のキッチンまでインテリアのひとつとして見せている。奥さまお気に入りのキッチンと同じメーカーが運営するセレクトショップで他の家具も選び、全体的な調和を取った。ホテルライクなラグジュアリー感があるまばゆい空間は、来客時のもてなしにもぴったり

    2階LDK。画像奥のキッチンまでインテリアのひとつとして見せている。奥さまお気に入りのキッチンと同じメーカーが運営するセレクトショップで他の家具も選び、全体的な調和を取った。ホテルライクなラグジュアリー感があるまばゆい空間は、来客時のもてなしにもぴったり

  • 2階、手前から奥に向かってリビング、ダイニング、キッチン。室内を開放的に広々と計画するため、テラスを右奥、北東側に配置。柱などを可能な限り省き空間をすっきりさせたうえでリビングは吹き抜けとし、ハイサイドライトを計画することで十分な明るさと開放感を実現した

    2階、手前から奥に向かってリビング、ダイニング、キッチン。室内を開放的に広々と計画するため、テラスを右奥、北東側に配置。柱などを可能な限り省き空間をすっきりさせたうえでリビングは吹き抜けとし、ハイサイドライトを計画することで十分な明るさと開放感を実現した

  • 2階、ダイニング(手前)、キッチン(奥)。奥さまひとりでテラスに出ることはあっても、家族で活用はしないことからテラスをダイニングキッチンに沿って配置。キッチンに光が降り注ぎ、ステンレスのワークトップもさらに輝きを増す。画像左奥の壁面は大容量のパントリーに続く

    2階、ダイニング(手前)、キッチン(奥)。奥さまひとりでテラスに出ることはあっても、家族で活用はしないことからテラスをダイニングキッチンに沿って配置。キッチンに光が降り注ぎ、ステンレスのワークトップもさらに輝きを増す。画像左奥の壁面は大容量のパントリーに続く

都市部の住宅地とは思えない開放感。
ライフスタイルを反映し、最良のプランを

「IT邸 華のある家」は3階建て。1階にガレージや水回りとご主人の個室、2階は奥さまのスペースとして、LDKや奥さまの個室を配置した。3階には子ども室と、ワンフロアごとに家族それぞれのエリアを割り当てた。

それぞれがゆとりあるスペースのように見えるが、それは室内の壁や柱をできるだけ少なくし、通路ができてしまうことを防いだからだ。都内などはやはり十分な敷地面積があるとはいえない場合が多く、家の中にラインがあると、とたんにエリアが分断されスペースが足りなくなってしまう。今回のケースにとどまらず、都市部では開放感ある空間の実現にいつも苦心するとのこと。

以前のヒアリングで間取りなどは大まかにきまっていたため、田主さんはそれを踏まえ、お施主さまのお人柄や好み、趣味趣向を把握することを主に話し合いを進めた。

特徴的なのはやはり2階のLDKと、テラスの関係性だ。一般的にはリビングと繋がることが多いテラス。この家も、キッチンは北側に、リビングは南側にあるため定石通りにしたほうが日当たりもよさそうである。しかし、田主さんはキッチンの背後ダイニングにかけての角、北東に配置した。「どう住みたいか?」を丁寧に聞き取り、ライフスタイルに合わせた結果だったいう。

リビングの脇にテラスを計画するとそのぶん室内側の幅が狭くなってしまう。家族皆がテラスでひとときを過ごすことが日常になるのなら、それでもいいだろう。だが、お施主さまの場合はそうではなかった。「ほぼ出ないのであれば、キッチンに立ったときに気持ちよく過ごせるほうがいいのではと考えました。リビングには吹き抜けもありますから、室内の明るさは確保できますので」と田主さんが語る通り、テラスの配置により開放的で明るい室内が実現。しっかりした広さがあり、大きなソファも設置できた。

以前は完成まで、図面を読み込み想像したり、模型から判断したりするしか方法がなかった家づくり。最近はCGやVRといった手法が加わり、田主さんは積極的に採用している。完成した家の中を見て回るような感覚でプランを確認できると、お施主さまにも喜ばれている。取り入れたい家具を画面内に反映したり、一日、一年を通しての日射の変化もなぞることができたりと、細かな不安まで解消しながら家づくりを進められて安心だ。
  • 2階キッチンは、キルト柄のステンレス製と遊び心いっぱいのものを奥さまが選んだ。鏡面仕上げにより、光反射したりダイニングのラグが写り込んだりと、まるでアクセサリーのようなきらめきが感じられる

    2階キッチンは、キルト柄のステンレス製と遊び心いっぱいのものを奥さまが選んだ。鏡面仕上げにより、光反射したりダイニングのラグが写り込んだりと、まるでアクセサリーのようなきらめきが感じられる

  • 2階、キッチンからLDKを見渡す。吹き抜けから光が落ち、室内はとても明るい。奥の壁面、右の扉は奥様の個室、中の扉は洗面・トイレに続く。左の仕切りは1階からの階段。画像右、3階への階段は日射を遮らないようスケルトンとした

    2階、キッチンからLDKを見渡す。吹き抜けから光が落ち、室内はとても明るい。奥の壁面、右の扉は奥様の個室、中の扉は洗面・トイレに続く。左の仕切りは1階からの階段。画像右、3階への階段は日射を遮らないようスケルトンとした

  • お客さまも使用される2階洗面は、室内と同じようにホテルライクに整えた

    お客さまも使用される2階洗面は、室内と同じようにホテルライクに整えた

  • 3階子ども室。窓に加えてバルコニー(右)も備え、2方向から光が入る豊かな空間。ヨーロッパの地図柄の壁紙が楽しい

    3階子ども室。窓に加えてバルコニー(右)も備え、2方向から光が入る豊かな空間。ヨーロッパの地図柄の壁紙が楽しい

高い安全性や快適さがデザインと両立。
お施主さまが楽しいと感じられる家づくり

お施主さまのセンスを引き出しの多さで受け止め、応えてくれる田主さん。安全面に対してもそれは同じで、とても頼りがいがある。

「IT邸 華のある家」は、ストローグ工法による木造を採用。強固な集成材や金具を利用し、鉄骨造のように家をつくるのだという。おかげで、壁や柱が少ないながらも構造計算による耐震等級2を取得。これは、ハウスメーカーなどが一般的に採用する壁量計算による耐震等級3よりも強く、警察署や消防署と同レベルの強さがあるそうだ。もちろん断熱性能も申し分なく、いつでも快適に過ごせる。

2階テラスの掃き出し窓などは、この工法でなければ実現できなかったと田主さん。奥さまが望まれていたまばゆいばかりの2階、とくにキッチンに光が反射するきらめきは、田主さんの設計だったからこそ可能となったものだ。

デザインに対しても安心安全に対しても、その引き出しの多さに驚いてしまう。あまり自分のスタイルというものはないとのことだが、それこそがお施主さまのどんなご要望に対しても的確に応えられる証拠だろう。聞けば手掛けた家は300近く、その中で特殊な事例も多くあったとのこと。柔軟な発想、安心に対する責任感はそこから得られたものなのだろうと感じた。

「お施主さまには家づくりが楽しいものだと実感して欲しい」と田主さん。この「IT邸 華のある家」を通してわかったことは、安心して任せられる部分が多ければ多いほど、お施主さまは家づくりの楽しい部分を存分に享受できるということだ。
  • 吹き抜け部分、3階子ども室の窓から2階を見下ろす。木造らしからぬ大空間に驚く。奥さまの犬友だちも集うという2階。大理石の床はメンテナンスも容易い

    吹き抜け部分、3階子ども室の窓から2階を見下ろす。木造らしからぬ大空間に驚く。奥さまの犬友だちも集うという2階。大理石の床はメンテナンスも容易い

  • 2階リビングは、吹き抜けとテラスの配置により開放感ある大空間を実現。通路を極力省くことで大きなソファを置くこともできた。奥壁面、テレビの右はエレベーター。3階までの吹き抜け部分、左壁面の小窓は子ども室のもの

    2階リビングは、吹き抜けとテラスの配置により開放感ある大空間を実現。通路を極力省くことで大きなソファを置くこともできた。奥壁面、テレビの右はエレベーター。3階までの吹き抜け部分、左壁面の小窓は子ども室のもの

  • 2階、奥さまの個室。大容量のウォークインクローゼットを備えており、室内には余計な家具などを置く必要がない。整えられた空間でゆったりと過ごせる

    2階、奥さまの個室。大容量のウォークインクローゼットを備えており、室内には余計な家具などを置く必要がない。整えられた空間でゆったりと過ごせる

間取り図

  • 1F間取り図

  • 2F間取り図

  • 3F間取り図

基本データ

作品名
IT邸 華のある家
所在地
東京都世田谷区
家族構成
夫婦+子供1人
敷地面積
148.52㎡
延床面積
180.16㎡
予 算
7000万円台