家づくりにおいて土地条件は大きな要素だ。広さ、形状、高低差などの理由から、思い描いていた家が建てられないということもよくある話。「土手下の三角の土地」での建て替えを計画したIさんご夫妻。ハウスメーカーや工務店などと話をするも、希望通りの家にはなりそうもなかったという。そんな中、一縷の望みをかけたのが、土地のもつ力を巧みに利用し、快適な空間を作りだす匠、ア・シード建築設計の並木さんでした。
私たちの創る家(建築)は、「人(使い手)」と「場所(環境)」から発想します。私たちの目的は人にやさしい建築を施主と共に2人3脚で創りあげてゆくことです。そこには施主の考えを建築家が増幅させ個性のある建築が実現できるものと考えています。
建築家の詳細
2階の玄関やリビングは、道路側からの視線を遮りつつ、風を通すように木の縦格子に。
玄関前のデッキスペースは、玄関ポーチとアウトドアリビングを兼ね備える。この開口から一番奥のバルコニーまでが1つの空間となり、視線の抜けや空間の広がりをもたらすとともに、風の通り道にもなる。
光あふれる2階のリビングは、お父さんの寛ぎスペース。勾配天井で高低差がある空間で、奥行きと開放性が感じられる。
フリースペース・ワークスペースとして使用しているカウンターは、将来取り外してキッチンに改造できるようになっている。ここでお酒を飲みながら隅田川花火を見るのが年中行事なのだとか。
3つの窓それぞれに、電車、空、橋と違った景色が見えるという。日々の時間の移ろい、季節の変化など、同じ場所でありながらもこれまで得られなかった眺望が楽しめているという。
階段上のトップライトは、光を降ろすだけでなく、風の通り道に。家の中で最も高い位置に設けることで、熱い空気が効率良くトップライトから抜けていき、1階2階の涼しい空気が取り込まれていくという。パッシブデザインの匠、並木さんだからこそ成しえた技。
1階リビングは大きな開口があるものの、2階のカーポートやデッキが庇となり、外から見えにくい。透過性のロールスクリーンも仕込んであり、夜やプライバシーにも対応可能。
木の温もりと落ち着きを感じられるLDK。土手側は、壁に窓を設けず、木の縦格子で外の格子と連続させ、内外一体の広がりのあるデザインになっている。
造作で作ったキッチンは、リビング側を本棚に。カフェへの変更にも配慮し、エアコンは家庭用を天井に埋め込むなど、スッキリとさせた。
ステンレスで造作したキッチンは、コストを抑えながら存在感を出している。収納は「見せずに収納」を基本とし、背面に大容量収納を確保し、調理後はモノを消しダイニングを寛ぎの空間に変える。
壁の一部を三角に切り取り、窓を確保。洗面スペースはLDKを高さ1.8mの衝立で間仕切った一体空間。開放感抜群の空間で、爽やかな朝を迎えられる。
私たちの創る家(建築)は、「人(使い手)」と「場所(環境)」から発想します。私たちの目的は人にやさしい建築を施主と共に2人3脚で創りあげてゆくことです。そこには施主の考えを建築家が増幅させ個性のある建築が実現できるものと考えています。
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