愛知県西尾市に、個性的な邸宅が誕生した。“7部屋のコートハウス”と名付けられたこの作品は、その名の通り中庭を中心に独立した各部屋が配置されている。こう聞くと特異なプランに思えるが、なぜか周囲に溶け込み、違和感がない。将来、お施主様のライフスタイルが変化しても対応できる、この作品をご紹介しよう。
柱現わしの壁面には、柱の厚み分を有効に利用した棚などが設置されている。各部屋が3種類の壁仕上げとなっているため、部屋間の連続性と広さを感じることができる。オーダーメイドで据えられたテレビボードの端には、小さな四角い穴が見える。この穴の下にはゴミ箱が置かれ、外から見えないようになっている
主寝室と中庭(写真左)。枕側は柱現わしの壁面を一部露出させ、小物などを置くことができるようになっている。中庭に面する窓は、すべて掃き出し窓を設置。どの部屋からでも気軽に中庭に行くことができる。部屋を区切る引き戸は段差がなく、壁材と同じものが設置されている
各部屋をつなぐ廊下はないが、通行に支障がない適切な幅の通路が確保されている
撮影:葛島隆之建築設計事務所